教皇、国連食糧計画本部でスピーチ 食料の充足は基本的人権

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教皇、国連食糧計画本部でスピーチ 食料の充足は基本的人権

【ローマ(イタリア)6月22日OSV】世界では人命よりも紛争が優先され、基本的な人道支援物資よりも多くの武器が流通し、飢餓は悪化の一途をたどっている、と教皇レオ14世は6月22日、ローマに本部を置く国連世界食糧計画(WFP)でのスピーチで指摘した。
 教皇は、WFPの職員たちに、人間の苦しみを和らげることは、「重要なことだと『原則として』広く認識されている」一方で、人道支援の必要性は「世界の優先順位」の中で後回しにされていると述べた。
 「実際に、紛争は、人々に食料が行き渡るよりも容易に『栄養』を得ています。この現実は、運用上の欠点だけでなく、政治と道徳の優先順位の基本的な不均衡をも反映しています」
 WFPは世界最大の人道支援団体で、飢餓に取り組み、食料安全保障を推進している。120以上の国と地域に事務所があり、食料と人道支援を行っている。2026年6月時点で、WFPは世界で158億食の食料を配布してきた。
 教皇はスピーチの中で、WFPの困窮している人々に対する献身は、「隣人を愛するようにという福音の呼びかけに根差して、人間の尊厳を守り、きょうだい愛を育むというカトリック教会の使命と深く共鳴します」と述べた。
 危機が「単発の出来事」から発展して「絶え間ない現実」となる過程を思い起こし、教皇は、世界に「共通の倫理的視野」がないため、不信感がはびこり、「多国間主義から、無秩序で紛争が絶えない多極主義に陥っています」と続けた。
 「この傾向は、驚くような逆説をあらわにします。前例のないほど世界には生産力がある一方で、極端に脆弱(ぜいじゃく)な地域が拡大しているのです」
 「経済成長を押し進めるその同じ力が、しばしば排除と周縁化を悪化させています。人間の苦しみの軽減は、原則として大切だと広く認識されていますが、人道上の懸念は、国際的な優先順位の中で二の次に追いやられるリスクがますます強まっています」と教皇は訴えた。
 さらに教皇は「連帯の漸進的な官僚化」と「人間のいのちの静かな商品化」が相まって、役所特有の煩雑な手続きのために、困窮している人への援助が遅れ、また大切な援助物資、特に食料の入手が「経済的・戦略的判断によって」影響を受けている現状を嘆いた。
 教皇は「多国間協力への決意を新たにするよう」求め、各国政府に、飢餓との闘いのための資源の増強と、「困窮している人々に支援物資が届くのを妨げている障害の除去」を訴えた。
 「十分な食料を手に入れることは、全ての人の尊厳に根差した基本的な人権です」「この要求を満たすことは、苦しみを緩和するだけでなく、地政学的な不安定の根本原因に取り組むことにもなります。実際、食料安全保障はグローバルな総合的安全保障の本質的な構成要素なのです。」

 飢餓なく生きるための生産能力はある

 スピーチの後、教皇は個室に移動し、世界のさまざまな場所の最前線で働くWFP職員6人とビデオ会議を行い、開口一番「いのちをかけて最前線で働く」彼らに感謝を表した。
 その中のレバノン担当者は、「情勢が安定していない」国での援助物資の配布の困難さを教皇に語った。
 「私たちが今戦時下にいるのか、停戦中なのか、それとも平時なのかが分かりません」と話し、そのような困難な状況にあっても、WFPはレバノン南部へ支援物資を届け続けると決意を語った。「誰も置き去りにしないことを常に心がけています」
 教皇はレバノン担当者に感謝を述べ、「飢餓がしばしば紛争の原因となり、紛争がさらなる飢餓を生み出す」という「悪循環」に多くの人は気づいていないと語る。
 「現在、世界は、飢餓などなく生きていくことができるのです」と教皇は付け加える。「資源が人々の手に渡るようにするべきです。食料生産能力はあるのです。けれども、しばしばその資源は、戦争や紛争などの、重要な最終結果をもたらさないものに費やされているのです」

教皇レオ14世は6月22日、ローマにある国連食糧計画の本部で、同組織の職員たちにスピーチを行った。世界では人命よりも紛争が優先され、基本的な人道支援物資よりも多くの武器が流通し、世界の飢餓は悪化の一途をたどっている、と述べた (OSV News photo/Simone Risoluti, Vatican Media)
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