教皇のスペイン訪問、最後のミサ 移住者の支援は自らを福音化する
【サンタ・クルス・デ・テネリフェ(スペイン)6月12日OSV】スペインへの使徒的訪問での最後のミサで、教皇レオ14世はキリスト者に、ビジネスや利益という誘惑を超えた先を見るよう求めた。むしろ人をもてなすことへの召命と、弱い立場に置かれた人、苦しんでいる人との出会いから得られる知恵を受け入れるよう呼びかけた。
教皇は6月12日、テネリフェ島の主要な商船と観光船の港でミサを司式し、「移住者が到着する中心地」であるカナリア諸島に暮らすキリスト者は、より良い生活を求めてやって来る人々から、信仰を学び、深める機会に恵まれている、と語った。
「最大の恵みは、私たちが支援し、その支援を受けた人々によって、自らが福音化され、その人たちの肉体に書きつづられた神の神秘の知恵を理解することができることです」
教皇は、ミサが行われる港までパパモービレ(教皇専用車)に乗って向かい、沿道に集まって手を振りながら教皇を歓迎する何千もの人々にあいさつした。
バチカンの広報省によると、スペインでの最後のミサには約4万人が集まった。
ミサの説教の中で教皇は、まずこの日がキリストのみ心の祭日に当たることを思い起こし、この祭日は「イエスのみ心が私たちにその姿を、歴史の中心として現してくださる日」だと述べた。
イエスの心は「私たちに、むなしい争いの中に迷い込まない方法を示してくださいます。つまり、『神はその独り子をこの世にお送りになり、私たちはその方を通して生きられるようになったのです』。まさに、私たち自身を差し出すことの中にこそ、私たちは真に生きることができるのです。そうでなければ、私たちは虚無に陥ってしまいます」
テネリフェ島における、他者をもてなすことへの召命は、休暇を過ごすために来る人々や、この島で生活し働いている人々に、「全てをビジネスや利益の問題として捉えないよう」に求めるものだとし、「一瞬一瞬をより楽しみ、より良い生活を送る人々は、あちこちに手を出して常に持っていないものを求めることをやめた人々です」「その人たちは、それぞれの人や物事の真価を認めるとはどのようなことかを経験し、最も簡素なものを熟知し、それらを楽しむことを学びます」と述べた。
テネリフェ島、キリストの心に出会う島
この日の福音箇所(マタイ11・25-30)を取り上げ、教皇はこの箇所は「貧しい人の富」を思い起こさせると指摘した。これは「イエスの人生、真理、イエスが私たちに、イエスに倣うよう求め続けておられる道を直接指し示す」逆説だと語った。
「極度の不安定さの中で成長し、もっとも敵対的な状況の中で生き抜くことを学び、他のだれも自分のことをまじめに扱ってくれないと確信しながら神に信頼し、もっとも暗闇に満ちたときに互いに助け合いながら、貧しい人々は多くのことを学び、学んだことを心のひそかなところに保ち続けます」と、貧しい人々への愛について書かれた、教皇の使徒的勧告『わたしはあなたを愛している』(102)から引用した。
教皇はミサの説教を、テネリフェ島の人々に感謝を表して終えた。「優しく、温かくもてなす人々の顔ときょうだい愛に満ちた共同体として、この島をキリストの心に出会う場としてくださっていることに感謝します」。
「それこそが福音の心、キリストの心です」と教皇は力を込め、「自分自身をその心に委ねる人は誰でも、もはや自分のためだけに生きなくなります。この海のように深い愛を全ての人に開いてください!これが、皆さんと皆さんを知ることになる全ての人々に対する、私の望みであり祈りです」と強調した。

