教皇、入院中にプーチン氏と電話会談 封鎖による飢餓に人道支援求める
【ローマ10月16日OSV】教皇レオ14世は10月16日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、ウクライナ侵攻の停止と、ロシアによる封鎖によって飢餓状態にあるウクライナ市民への人道支援を求めた。
聖座(バチカン)広報部は、肺腺がんの手術のため入院中の教皇が、ロシアによって部分的に占領されているウクライナのヘルソン州にある「オレシュキでの深刻な人道状況に深い懸念を表した」と発表した。
この件について、9月19日、ウクライナ教会・宗教団体協議会(UCCRO)は声明を発表し、教皇と世界の宗教指導者たちに介入を求めていた。
今回の電話会談は偶然にも「世界食料デー」に当たった。この日のために教皇はメッセージを発表しており、「安全で、適正で、十分な食料を日々得られること」は、国によって保障されねばならない「基本的な人権」だと言及していた。
UCCROの声明によると、オレシュキとその周辺を囲む共同体には、約200人の子どもたちを含む6000人以上の市民が残され、「前線にほど近い『グレーゾーン』に、事実上閉じ込められている状態」だという。
ロシア軍は「人道支援の遮断」を強行しており、最後にこの地域に食料が供給されたのは5月の末だった、と声明は述べる。
さらに、ウクライナのアンドリー・シビハ外相は9月21日、自身のフェイスブックを更新し、ロシアの高官は、避難と人道支援を共に認めることを繰り返し拒否しているとした。
シビハ氏は、オレシュキの住民から「身も凍るような報告が寄せられています」とし、「住民たちは生ごみをあさったり、草を集めたりしています。それはまさに他に食べるものがないからです」と投稿した。
オレシュキに物資届かず、避難もできず
ロイター通信によると、ロシアは10月16日、教皇とプーチン氏との電話会談について、「互いを尊重し合う、建設的な雰囲気」だったと発表したと報じた。
ロシアは、プーチン氏が教皇の速やかな回復を願い、教皇が「紛争解決」と「人道的取り組み」の面で「支援したいという意向を示していることに感謝を述べた」と発表。
またロシア側は、プーチン氏は、オレシュキの人道状況を「ウクライナ側の責任」とし、その理由を教皇に「詳しく説明した」と続け、その一方で市民の安全の確保と必要不可欠な支援物資の配給を促進するというバチカンの目的に対し、「支持」を表したと述べた。
「ロシアはこの問題について協力することに合意した」とロシア政府は声明で述べた。
米国ワシントンを拠点とする戦争研究所は、過去数カ月の間に、オレシュキの「悲惨」な、「ロシアによって引き起こされた人道上の危機」に対し、何度も警告を発してきた。
同研究所の10月2日の報告書は、オレシュキでは5月26日以来、食料が全く届いておらず、とどまっている住民はドローン攻撃や地雷、ロシアの占領軍のために避難することもできないでいるとした。
また同研究所は、ロシアは「故意に、食料不足と官僚的でずさんな管理を兵器としている」と指摘し、封鎖を行うことで「何千人もの市民を病気、飢餓、ロシア軍の手による虐待にさらしている」と報告している。
赤十字国際委員会によると、武力紛争を規定する国際人道法は、「支援を必要としている市民への人道支援は迅速に行われるべきで、妨げられてはならない」としている。
聖座の広報部は、教皇は「食料と医薬品が行き届くよう停戦を求め、市民の自主的で安全な避難も求めた」と発表した。
そして「教皇は、対話と平和の推進に献身する聖座の姿勢を再確認した」と述べた。

