教皇、「死刑は人間の尊厳に対する攻撃」 米司教団、死刑執行のライブ配信を非難

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教皇、「死刑は人間の尊厳に対する攻撃」 米司教団、死刑執行のライブ配信を非難

【バチカン10月10日OSV】教皇レオ14世は、自身のX(旧ツイッター)に、カトリック教会は死刑を「人間の不可侵性と尊厳に対する攻撃であるため、容認できないもの」と考える、と投稿した。
 10月10日の「世界死刑廃止デー」に投稿されたポストの中で教皇は、死刑に頼らなくても正義は保たれ、人類の共通善も守られるとした。
 市民を守り、その一方で犯罪者が罪を償う可能性の余地を残しつつ、犯罪者を効果的に拘留することは可能だ、と教皇はポストの中で言う。
 「死刑は、人間の不可侵性と尊厳を侵害するものであるため、容認できません。死刑に頼らずとも、公共の利益を守り、正義の要請を満たすことは可能です。市民を保護すると同時に、犯罪者から罪を償う可能性を完全に奪うことのない効果的な収監制度が確立されているからです。#世界死刑廃止デー」(https://x.com/chuokyo_pope/status/2109889449081634945)
 この投稿の前日となる10月9日、教皇庁(バチカン)国務省長官のピエトロ・パロリン枢機卿と米国司教協議会会長のポール・S・コークリー大司教(オクラホマシティー教区)は、ニダル・マリク・ハサン死刑囚の死刑執行をライブ配信で公開するという米国政府の計画に反対の声明を出していた。
 ハサン死刑囚は、元軍医で、2009年にテキサス州フォートフッド基地で銃を乱射し、13人を殺害し、32人にけがを負わせた罪で有罪となった。軍事法廷は2013年、彼に死刑を言い渡した。
 ヘグセス国防長官は10月8日、トランプ氏寄りの保守系メディア、「リアル・アメリカズ・ボイス・ニュース」の取材に、死刑執行は12月3日にフォートフッド基地で行い、その様子をライブ配信で公開すると述べた。
 「国民が見られるように、確実に公開する」とヘグセス氏は述べた。昨年トランプ米大統領が国防総省の呼称として「戦争省」を使えるとする大統領令に署名して以来、ヘグセス氏は「戦争長官」を名乗っている。

 「死をショーに変えてはならない」

 パロリン枢機卿は10月9日、報道陣に、死刑執行のライブ配信は受け入れられないと語った。
 「今この時代に、このような方法を望む人がいるとは理解しがたいことです」「目的が分かりません。死をショーに変えることは、断固として受け入れられません。どれほどの罪を犯した犯人でも、他に方法があるはずです」
 死刑は「人間の尊厳とは相いれないものですし、犯罪の抑止にもなりません」と枢機卿は繰り返し強調する。
 コークリー大司教は10月9日の声明で、この政府案を非難し、「重大な罪を犯した人物であっても、死刑執行の様子を公開することは、米国の倫理的骨組みをより一層むしばみ、国民の良心に悪影響を及ぼすだけです」と警告を発した。
 さらに大司教は続ける。「私たちの神はいのちの神です。ハサン死刑囚の犯罪は少しも容認できませんが、公開処刑という計画は、死の文化を野蛮にも推奨することになり、考え直さねばなりません。神のことばは私たちに忠告します。『だれに対しても悪に悪を返すな』(ローマ12・17参照)」
 カトリック教会の教導職は、死刑を人間のいのちに固有に備わっている神聖さを侵害するものとして反対し、全世界での死刑廃止を支持している。
 今年初め、教皇レオ14世は、故郷のイリノイ州で死刑廃止から15年の記念に際し、カトリックの死刑廃止を支持する人々に、動画でメッセージを送っていた。
 仮に実行されるのであれば、ハサン死刑囚の死刑執行は、米国で初めてのライブ配信による死刑の一般公開になる。死刑情報センターによると、米国で最後に死刑が公開されたのは1937年のミズーリ州。

10月5日、バチカンで米国司教団との私的謁見中、同司教団会長のポール・S・コークリー司教(オクラホマシティー教区)と握手する教皇レオ14世 (CNS photo/Vatican Media)
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