エルサレムで諸宗教者による行列 イスラエルの「旗の行進」に代案

【エルサレム5月19日OSV】宗教指導者たちは5月18日、エルサレムで、「正義」、「信頼」、「平和」を求めるプラカードを掲げて、何百という平和活動家、ユダヤ教徒、ムスリム(イスラム教徒)、キリスト教徒、そしてドルーズ派などの諸宗教の人々と共に行列した。
 これは4日前の5月14日の「エルサレムの日」――1967年の第3次中東戦争で、イスラエルがヨルダンから東エルサレムを奪還したことを記念する日――に行われた「旗の行進」に代わるものとして提案された行列だ。この行列は、人権のための諸宗教フォーラムが主催し、今年で4年目となる。
「エルサレムの日」の行進では、何千人もの極右のイスラエル人たちが、イスラエル国旗を手に、差別用語を繰り返し叫びながら、ムスリム居住地区などを練り歩き、旧市街に住むパレスチナ人たちに身体的な、また言葉による嫌がらせをして回っていた。一部の参加者は記者や、パレスチナ人居住者を守り、同伴するために来ていたイスラエルの左派に対しても攻撃を加えた。
 18日の行列では、当日、主催団体の一つ「人権ラビ(ユダヤ教指導者)」の共同議長を務めるアミハイ・ラウ・ラビ氏が、旧市街の外に建つYMCAの中庭で、行列の開会のあいさつをした。「私たちは今夜、いのちが持つ神聖さを深く尊重して、行列を行います」
 「特にここ最近、苦しみや恐怖、私たちを分断させる言葉に鈍感になってきていますが、私たちは自分自身と私たちの周りにいる人々に、いかなる紛争よりもいのちが大切なのだと、また人間性を保つことは、霊的にも倫理的にも勇気ある行動なのだということを思い起こしたいと思います」
 この開会式の間、修道女や司祭、ラビたちが、ピアスを付けた若者たちや家族や超正統派のユダヤ人たちと共に中庭に集い、エルサレムに住むキリスト教徒のナディーン・ファヌースさんによって、神のいつくしみを求める祈りがアラム語で歌われた。
 「私たちを分断する議論を聞くのはつらいです」とファヌースさんはOSVニュースに語った。「愛と友情の行動を起こす一員としてここにいることで、憎しみ、不正義、分裂を忘れられます。互いに顔を合わせないなら、私たちそれぞれが抱く未来像に向けて協働することはできません。私たちは共通の未来像を築くべきです」

 紛争終結に向けた小さな一歩

 エルサレムから来たリラチ・フリードランドさんは、5月14日の「エルサレムの日」の様子を見て、「悲しく、人種差別的でした」と語ったが、YMCAの中庭に座りながら、「(ここへきて)平和のつぼみ」が見えたと言い、「大きな光と希望」を感じたと続けた。
 正統派ユダヤ教徒のケルマンさん夫妻は、エルサレムやイスラエルで共に生きていくことは可能なのだということを示すために、2人の子どもたちを連れて参加した。「この国で起きていること、起こっているあらゆる暴力に心を痛めています。ですから、異なる宗教や国籍の人々と連帯するために参加しました。公に共に行列したり、私たちの連帯を示したりすることができる場に参加できて興奮しています。エルサレムには矛盾があります。とてもたくさんの愛があるのに、同時に憎しみもあるからです。けれども、(この行列は)人々を一つにし、違いをたたえ合う別の方法があることを示しています」
 イスラエルでヘブライ語を話すカトリック信者のための聖ヤコブ使徒座代理区の使徒座代理区長を務めるポーランド出身のピオトル・ゼラスコ神父は、自身の小教区の信者たちと4年連続でこの行列に参加している。神父はこの行列は自分の一部になっていると語る。
 「平和を求める祈りをやめれば…、平和は存在しなくなります」「諸宗教者たちが共に歩むなら、平和もそれに伴います。一部の人々は中東の宗教が問題を起こすと言いますが、私はむしろ神と互いを愛する中に解決策を求めたいです。他者を知り、相手を見るとき、あなたはもう見知らぬ人ではなくなるのです」
 正直なところ、エルサレムは「平和の都」と呼ばれているが、常に脅威と緊張が付きまとい、いつも紛争が起きている場所だ、と神父は言う。
 「私たちはこのような状態を終わりにしたいと願っています。ですからこの行列の取り組みは、紛争を終結するための小さな一歩といえるのです」

5月18日、エルサレムで、人権のための諸宗教フォーラムが主催する諸宗教者による行列に参加するイスラエルでヘブライ語を話すカトリック信者のための聖ヤコブ使徒座代理区の使徒座代理区長を務めるポーランド出身のピオトル・ゼラスコ神父。修道女、司祭、ラビたちが、ピアスを付けた若者たち、家族、超正統派ユダヤ教徒と共に、開会式のためにYMCAの中庭に集まった。開会式ではエルサレムに住むキリスト教徒のナディーン・ファヌースさんによって、神のいつくしみを求める祈りがアラム語で歌われた (OSV News photo/courtesy Jacob Lazarus)

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