大分教区とカリタスジャパン 災害対応ワークショップを開催 日向灘(ひゅうがなだ)地震を想定

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大分教区とカリタスジャパン 災害対応ワークショップを開催 日向灘(ひゅうがなだ)地震を想定

 大分教区(森山信三司教)とカリタスジャパン(責任司教・成井大介司教〈新潟教区〉)は10月23日、大分カテドラル大分教会で災害対応ワークショップを開催した。
 カリタスジャパン緊急対応支援チーム「CJ-ERST(イーアールエスティー)」(以下・ERST)が各教区を訪問し、大災害が発生した時の教区の初期対応を考えるワークショップ。
 12教区目となる今回は、日向灘(ひゅうがなだ)地震の発生を想定して行われた。森山司教と、教区本部事務局、学校法人、福祉施設の職員ほか、司祭、修道者、小教区の信徒ら40人余りが参加。学びとグループワークを通じて、災害時の行動を確認するとともに、その行動のために何が準備できるかを考えた。

災害対応に向けて司教、司祭、修道者、信徒が集まった
 教会らしい、新たな連携

 「災害が発生すると、まず教区本部事務局に、さまざまな問い合わせが殺到します」
 ERSTの佐久間力(ちから)神父(札幌教区)は学びの初めにこう語り、発災後に被災教区が求められる対応や、日本の教会による被災教区へのサポート体制について次のように説明した。
 発災後、本部事務局は通常業務に加えて被災状況の確認に追われるが、同時に教区外、あるいは国外からも「募金をしたい」「支援物資を送りたい」「ボランティアに参加したい」といった支援の申し出が数多く寄せられる。いずれも善意によるものだが、教区側の体制が整うまでは問い合わせを控えるよう、教区からの依頼を発信する必要が生じる。
 これと並行し、被災教区の要請に応じて教区の初期対応をサポートするのが、東日本大震災以降の災害対応の経験を持つERSTだ。現在6人いるERSTのメンバーは、教区の必要に応じて、被災状況の視察に同行したり、教区のビジョンに基づいた支援方針づくりや、支援活動の立ち上げをサポートしたりする。
 一方、カリタスジャパンはERSTを通じて被災教区の初動をサポートするだけではなく、民間支援団体等との連携によって、中長期的な被災地支援も独自に行う。
 カリタスジャパン秘書の橋本晶子修道女(援助修道会)は、学びの部で、被災教区が教会内の復興支援だけではなく「地域の復興支援」への対応も求められることを指摘した。
 「発災前からこの地にあった教会として、地域とともに歩むとは、どういうことなのか」と橋本修道女は参加者に問いかけ、次のように話した。
 教会は、各小教区、カトリックの学校、福祉関連施設などと連携することができる。「私たち(教会)らしい」新たな連携の可能性や、「地域とともに生きる在り方」を考えたい。災害に備え、「既にある連携も見直していくことができたら思います」。
 参加者の一人、日南・飫肥(おび)カトリック幼稚園園長の佐藤泰信さん(宮崎・日南教会)は、同園が被災した2024年の日向灘地震に言及。発災後、森山司教をはじめ、教会や幼稚園の関係者がいち早く駆け付けてくれたと感謝を込めて振り返り、復興の決め手となったのは、周囲との「つながり」だったと語った。

 実際に何ができるか

 今回のワークショップでは、教区が管轄する大分県と宮崎県の教会の連携を考えることを目指した。
 参加者は、橋本修道女が示した資料や地図を基に、宮崎県沖で発生する日向灘地震の想定震源域、宮崎・大分両県で想定される地震、津波の規模のほか、宮崎県内の小教区や教会関連施設の分布を確認した。
 その上で参加者は「本部事務局」「司祭」「修道者、信徒」の3グループに分かれ、各自が発災後にどのように動くか、意見を出し合った。

「修道者・信徒」グループでの話し合い

 全大会では、各グループの代表が話し合いのまとめを発表。「本部事務局」グループの大水幸一さん(教区本部事務局 事務局次長)は、話し合いの中心が支援体制づくりになったと話した。
 「司祭」グループの幸(ゆき)真宏神父(同教区)は、①震災直後~2週間程度②発災から1カ月程度③発災前と、三つの時期に分けて話し合ったことを紹介。既に幼稚園などの施設にある備蓄を被災地に提供する形の連携についても意見があった。
 「修道者・信徒」グループの発表は、佐藤さんが担当。「おにぎりの炊き出し」など具体的な活動案も挙がったが、このように「意見がたくさん出てくること自体、連携ができている」証拠だと思うと語った。
 佐藤さんはまた、「地域に根付いた教会」として、災害時にも外国籍住民、障害のある人など社会的弱者への対応が可能という声があったと紹介した。災害時に動くことのできる人材のリスト化などを行い、教会が「実際に何ができるか」を平時から考えておく必要があるという意見も取り上げた。

全体会で発表する佐藤泰信さん(奥)

 森山司教は集いの最後に、予防教育や予防医学などと言われるように、今は「予防が求められている時代」だと指摘。災害に備える予防も「愛のわざ」として実践できるよう、ともに歩んでいきましょうと呼びかけた。
 大分教区本部事務局長の山下敦神父(同教区)は、「日頃、教区内のこれだけ多様な立場の人がそろって意見を出し合う機会はないので、(実施して)とても良かった」と話す。
 大分・鶴崎教会から参加した高田(たかた)瑞枝さん(58)は、今回、「冷静に考えることのできる平時から災害に備える必要がある」と痛感したという。また、日本で大きな災害が起きると、まず国際カリタスからカリタスジャパンに対して支援の要不要について問い合わせが入ると聞き、「被災地が日本の教会、そして世界の教会にもつながっている」ことを心強く感じたと話した。

ワークショップの参加者たち

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