WEBマガジンAMORアモール 10周年 連続セミナー1回目「祝福」の連鎖で社会を変える

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WEBマガジンAMOR 10周年 連続セミナー1回目「祝福」の連鎖で社会を変える

 SIGNISシグニス JAPANジャパン(カトリックメディア協議会)の有志がインターネット上の福音宣教の担い手となり、運営するウェブマガジン「AMORアモール 陽だまりの丘」が今年11月に創刊10周年を迎える。その節目を記念する連続セミナーの1回目が10月10日、早稲田奉仕園(東京・新宿区)リバティホールで開かれ、20人余りが参加した。
 セミナーの年間テーマ「“有事”の時代に宗教は何ができるか」にもとづき、阿部仲麻呂神父(サレジオ修道会)が「祝福による社会刷新」との題で基調講演を行い、AMORのメンバー二人が関連する講演をした。

 社会を変えるのは「祝福」の力

 1968年生まれの阿部神父は、その100年前の1868年から、100年後の2068年までの時間を意識して歴史を見ているという。
 1868年の明治維新から日本の近現代が始まったが、世界的な帝国主義の影響を受け、戦争を経験した。21世紀になっても、世界では戦争が多発。阿部神父は、自国の領土を守ること、近隣諸国から資源を奪い取ることに力が注がれ、世界には自己中心的価値観がはびこっていると指摘。その解決のためには、「一人一人が周りを『祝福』する運動が必要」だと話した。それは子育てをする親が、子どもの幸せを願う感覚に似ており、その感覚を社会に広げていくことで、戦争をも収めることができるのではないかと阿部神父は考えている。
 そして回勅『人間の偉大さ』の序文で、教皇レオ14世が「人類共同体として、また民として、どのような方向性を選択すべきなのか」と、二つの選択肢を示して問いかけていることに着目した。一つは「バベルの塔」に例えられる、神を超えるような権力を追い求める方向性。もう一つは「ネヘミヤの道」に例えられる、周りの人々と連帯して、一つずつレンガを積み上げて聖都を再建する方向性だ。
 阿部神父は、人間はこの二者択一を常に求められているが、多くの人は「バベルの塔」を選び、「ネヘミヤの道」のほうがいいと分かっていても実行できないと指摘した。
 レオ13世教皇は回勅『レールム・ノヴァールム』で、産業革命で資本家に搾取されている労働者たちに焦点を当て、人格の尊重や労働条件の改善を訴えた。その135年後に教皇レオ14世は、本回勅でデジタルやオンラインの力を手にした少数の人々によって、弱い立場の人々が搾取される状況に警鐘を鳴らしている。 
 阿部神父は、インターネット上での攻撃による犠牲者が増え、心のすさみが広がっていると感じている。その問題点として①経済的な優位性が人間の価値基準になる「いのちの価値の低下」②デジタル格差による人間同士の「関係の断絶」③戦争やAIの発展・脅威による「未来への希望の喪失」―の3点を挙げた。
 そしてこれらの解決のためには、冒頭でも述べたように、「私たち」が、相手に幸せになってほしいという祈りを込めた「祝福」を手渡す活動に踏み込むことが必要だと話した。大人が子どもに、先輩が後輩に、祝福を受け渡していくことで、祝福の連鎖が生まれる。阿部神父は、将来的にはAI技術にも、宗教が持つ「相手に幸せになってほしい」という祈りの力が組み込まれることへの期待も述べた。
 AMOR編集委員で出版社・パピルスあい取締役編集長の鵜飼うかい清さんと、AMORで連載を持つ森裕行さんは、それぞれの人生の歩みを話した。

次回(演題=「いのちと防災―自助・共助・公助」、講師=岡村光章)は2027年2月27日、午後2時からキリスト教会館(東京・新宿区)で開催予定。

AMOR  陽だまりの丘 URL http://webmagazin-amor.jp/

基調講演をした阿部仲麻呂神父
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