イランによる報復攻撃始まる キリスト信者は祈りで一致を

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イランによる報復攻撃始まる キリスト信者は祈りで一致を

【エルサレム3月2日ОSV】中東各国のカトリック信者は、2月28日にイスラエル軍と米軍が共同でイランへの攻撃を開始し、この地域が戦場と化している中、動揺と悲しみに打ちひしがれながらも、祈りによって応えようとしている。
 ドナルド・トランプ米大統領は、この攻撃を「米国民を守るため」の「大規模な戦闘作戦」と説明している。米政府高官によると、3月2日までに少なくとも4人の米兵が死亡し、何人かは重症を負っていると発表した。
 イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、2月28日の攻撃を「先制攻撃」と表現し、イスラエル国内では非常事態宣言が発令された。
 イランは、イスラエルと中東の複数国にある米軍施設を標的とする報復攻撃を開始している。イラン国営放送によると、3月2日までの死者数は175人で、その多くが子どもたちだと報じた。しかし、赤十字運動のパートナー機関であるイラクの赤新月社によると、3月2日時点で死者数は550人以上に上ると報告している。
 この戦争はレバノンにも拡大し、親イラン民兵組織ヒズボラがロケット弾でイスラエルに報復したことを受け、イスラエルは3月2日にヒズボラを空爆した。

 苦しみの海に浮かぶ希望の島に
 
 以下、関係各国の聖職者にОSVが取材した様子を紹介する。
 アラビア半島の北部に位置する北アラビア地方で約220万人のカトリック教徒を司牧する教皇代理、アルド・ベラルディ司教は2月28日、フェイスブックに声明を投稿し、信者たちに「落ち着いて、祈りのうちに一致して、全ての人々の安全に気を配りましょう」と述べた。
 「信仰と愛のうちに一致し続け、特に高齢者や病気の人や弱い立場の人々のことを思いやりましょう」「主が皆さんとそのご家族を守ってくださいますように。私たちの母であるアラビアの聖母が私たち皆を見守ってくださいますように」と同司教はつづる。
 カタールの首都ドーハでは、ロザリオの聖母教会がそのウェブサイトで、「カタールの現状」と「政府からの勧告」に鑑み、「さらなる通知があるまで、閉館する」としている。
 イラク北部アルビルのカルディア典礼カトリック教会のバシャール・M・ワルダ大司教は3月2日、ОSVニュースの取材に、アルビル空港近くの米軍基地へのイランによるミサイル攻撃の「全容を見ました」と語った。
「ミサイルや迎撃ミサイルの音や爆撃を私たちは目の当たりにしています」「その恐ろしさやぞっとする感覚を想像していただけるでしょう」
 最後に同大司教は「祈りだけが唯一の希望です」と述べ、祈りを願い、信者たちは四旬節を「この共同体にとってとても祝福された時」だと考えてきたと語った。
 イスラエルでは、ベネディクト会のニコデムス・シュナーべル神父――エルサレムの中心にあるシオンの丘にある「お眠りの聖母」大修道院の院長であり、イエス・キリストがパンと魚を増やす奇跡を起こした町で、ガリラヤ湖北西岸に位置するタブハにある小修道院の院長でもある――によると、タブハには60人ほどの巡礼者が避難しているという。
 同神父は、子どもや高齢者を含む各国から来た巡礼者たちは、2時間ほど避難しており、その間、共に祈り歌い、攻撃のさなかでも一致していたと語った。
 「とても良い経験になりました。お互いのことを知らないのに、異なる言語で歌を歌い、共に祈ったのですから」と続けた。
 「『この二つの修道院が、苦しみの海に浮かぶ二つの希望の島であってほしい』と常々言っていました」「この時がまさにそのように思える時でした。今日も苦しみの海に浮かぶ二つの島となっています」と付け加えた。

 ガザ、住民間にも緊張高まる

 ベツレヘムとエルサレムの間の丘陵に位置するタントゥール・エキュメニカル研究所所長を務めるイエズス会士のジョン・ポール神父は、ОSVニュースの取材に応じ、「エルサレムは標的になっていない」と信じていたが、その日の朝は「シェルターを出たり入ったり」していたと語った。
 同研究所の職員はパレスチナ人とイスラエル人。同神父は、イスラエルとイスラム組織ハマス間の紛争と、パレスチナ・ガザとヨルダン川西岸地区に住むイスラエルとパレスチナの人々の間に依然として緊張状態が続いている中で起きた今回の攻撃は、悲しみを呼び起こしていると指摘した。
 前述のシュナーべル神父はタブハにいる巡礼者と共に、今回の攻撃で被害を受けた全ての人々のために祈っていると話す。
 「他者のために祈っています。…ですから、イランの国民のため、イスラエルの国民のため、パレスチナの人々のため、このような状況に直面している地域にいる人々のために祈りましょう」さらに「避難場所がない人々のため、何が起きているか理解できないでいる全ての人々のために祈りましょう」と祈りを呼びかけた。

2月28日、イスラエルの首都テルアビブ。イスラエルと米国が共同でイランへの攻撃を行い、その報復としてイランがイスラエルにミサイルを発射。その弾道ミサイルが着弾し爆発した (OSV News photo/Gideon Markowicz, Reuters)
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