教皇のアフリカ訪問、赤道ギニア 『神の国』引用して正義を訴える

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教皇のアフリカ訪問、赤道ギニア 『神の国』引用して正義を訴える

【マラボ(赤道ギニア)4月21日OSV】教皇レオ14世は4月21日、アフリカへの11日に及ぶ使徒的訪問の最後に、4カ国目となる赤道ギニアに到着した。同国の長期在任中の大統領と行政当局との会談の席では、聖アウグスティヌスの『神の国』から引用し、正義を求めるよう訴えた。
 教皇は今年1月まで首都だったマラボに到着し、空港で軍楽隊とテオドロ・オビアン・ンゲマ・ンバゾゴ大統領に迎えられた。空港から大統領官邸までパパモービレ(教皇専用車)に乗って向かうと、沿道に集まった人々は一斉にバチカンの旗を振り、教皇の姿が見えると歓喜の声を上げて出迎えた。
 ンバゾゴ大統領は、1979年のクーデターで政権を握り、以来この原油に恵まれた中央アフリカに位置する赤道ギニアを統治してきたが、世界でも最も独裁的な支配者の一人と見なされている。
 大統領官邸で、教皇は大統領と並んで座り、スペイン語で、「正義と倫理的な統治」を求める核心を突いた訴えをした。赤道ギニアは長く汚職と人権侵害を国際的に非難されてきた経緯があるからだ。
 「傲慢(ごうまん)によって傷つけられている世界において、人々は正義に飢え渇いています」と発言し、当局に対し、教会は「自由で責任ある良心」を育む手助けができると述べた。スピーチの冒頭では、1982年に同国を訪問した聖ヨハネ・パウロ2世教皇の言葉を引いて、「真の自由、正義、尊敬、全ての人の権利の尊重」には辛抱強く向き合わなければならないと強調した。
 「この言葉は、現在でも時宜を得ており、公的責任を委ねられた人々に問いかけています」と、教皇は述べた。
 聖アウグスティヌスの『神の国』で表現されている二つの「国」の対比にも言及した。一つは神と隣人への愛の上に建てられた神の国で、他方は利己心と権力の追求の上に建てられた地上の国。
 「神の国」は、愛に、特に貧しい人に対する愛によって特徴づけられ、「地上の国は…尊大な自己愛や権力と破壊へ導くこの世の栄光への欲望を中心に据えている」と教皇は説明した。そして指導者と市民に、「どちらの国に仕えたいか」を識別するよう求めた。
 また、政府が首都をマラボから大陸部の「平和の都市」を意味するシウダド・デ・ラ・パスへ移す方針にも言及し、「皆さんは首都に、聖書の都市、エルサレムと同じ意味を持つ名の都市を選ばれました。その決定が全ての人に、どの国に仕えたいかを自問するものとなりますように」と述べた。
 赤道ギニアはスペインの元植民地で、1968年に独立を果たした。サハラ砂漠以南で最大の原油生産国の一つ。一人当たりの収入は高いにもかかわらず、国民の多くが貧困層に入り、富はエリートたちに集中している。
 スピーチの中で教皇は、貧しい人を排除する経済制度に対して警鐘を鳴らし、前教皇フランシスコの「そのような経済は人を殺す」という非難を繰り返した。さらに、「国際法や人々の自己決定権を無視した」自然資源の搾取によって、世界での紛争がますます加速されていると付け加えた。
 「人類の運命は、方向転換を図らなければ、悲劇的な結末を迎えるリスクがあります。神はそれをお望みにはなりません」と教皇は最後に語った。

 新たなキャンパスに教皇の名

 その後教皇は、赤道ギニア国立大学を訪問し、教皇レオ14世の名を冠した新しいキャンパスの落成式に参加した。教皇がこの近代的な大学に到着すると、集まった学生たちはヤシの木陰で歌い、スペイン語で教皇の名を呼び、歓迎した。
 「この決定は、その名を帰した本人を超えると承知しています」と自身の名を冠されたキャンパスについて述べ、「それは私たち全員が他者に伝えたいと望む価値を表しています」とした。
 教皇はその大学共同体を聖母の保護に委ね、信頼と人間の尊厳のうちに、青年たちが養成されていきますようにと祈った。

 弱さを愛で包む社会に

 赤道ギニアで精神医療の改革が進められていることもあり、その日の午後教皇は、ジャン・ピエール・オリー精神科病院を訪問した。同国では精神疾患は、長い間偏見の目で見られてきた。
 「真に偉大な社会とは、弱みを隠す社会ではありません。愛によって包み込む社会こそが偉大な社会です」と教皇は述べ、弱い立場に置かれた人のケアを提供しようとする取り組みを称賛した。「このような施設は、…愛の文明のしるしとなります」

4月21日、赤道ギニアへの使徒的訪問で、同国の旧首都マラボに到着後、人々にあいさつをする教皇レオ14世に抱きつく子ども (OSV News photo/Simone Risoluti, Vatican Media)
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