能登南部豪雨 羽咋(はくい)で支援を開始 カリタスのとサポートセンター 熊本地震・福岡教区の動きを共有  

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能登南部豪雨 羽咋(はくい)で支援を開始 カリタスのとサポートセンター 熊本地震・福岡教区の動きを共有

 名古屋教区(松浦悟郎司教)の「カリタスのとサポートセンター」(センター長・片岡義博神父〈名古屋教区〉)によれば、8月27日から石川県と富山県を襲った能登南部豪雨では教会施設に目立った被害はなかった。
 一方、サポートセンターがベース(ボランティア拠点)を置く羽咋(はくい)教会(石川県羽咋市)の周辺は浸水被害が多く、現在、羽咋での支援活動も行っている。
 9月8日に金沢教会(金沢市)で開かれたカリタスのとサポートセンター運営会議では、石川県輪島市・七尾市での活動と併せ、羽咋で始まった活動についても報告された。カリタスジャパンを通じ、今年7月末に発生した熊本地震被災地を支援している福岡教区の動きも共有した。

能登南部豪雨の翌日、増水した川から流れて
きたとみられる角材などが引っかかったまま
の橋桁(げた)=8月28日、石川県羽咋(は
くい)市(Ⓒカリタスのとサポートセンター)
 補い合いながら

 のとサポートセンター運営会議は、教会が被災地域に根差して活動していくために情報共有し、中長期的な方向性も含めて検討する場として3カ月に一度開催されている。参加するのは、松浦司教、片岡神父、教区の復興支援担当者、サポートセンタースタッフのほか、カリタスジャパンの担当者たちだ。
 カリタスジャパン(CJ)は2024年の能登半島地震発生後、名古屋教区の初動対応を支援した。当時、司教団から被災地へ派遣されていた緊急対応支援チーム(ERST〈イーアールエスティー〉現CJ-ERST)のうち2人は今も運営会議に参加し、名古屋教区のフォローアップを続けている。

金沢教会(金沢市)で行われた運営会議
(Ⓒカリタスのとサポートセンター)

 現在、宿泊可能なサポートセンターのベースは、能登半島北端の輪島ベース(石川県輪島市)と、同中部の七尾ベース(同県七尾市)の2カ所。いずれも教会内の建物を使用している。
 名古屋教区は、輪島を拠点として能登被災地の支援を進める方針。そのため被災した輪島教会の聖堂は再建され、同じ建物の中にベースが設置されている(昨年9月既報 →記事はこちら)。
 夏休み期間はミッションスクールのボランティア参加が多かったが、サポートセンターではスタッフとボランティアの不足が続いている。輪島と七尾、二つのベースを利用しながら活動縮小を検討していた中、今度は羽咋が豪雨により被災した。
 輪島と七尾には、スタッフが一人ずつ派遣されている。片岡神父によれば、新たに羽咋を支援することは難しい状況だったという。だがスタッフ皆が羽咋の被災状況に胸を痛め、片岡神父、サポートセンター事務担当のスタッフ1人とベース長2人の計4人でベースの宿直や日中のベース活動のサポートなどを融通し、補い合う態勢をつくった。
 七尾ベースは、9月2日から羽咋市で社会福祉協議会(社協)の災害ボランティアセンターを通じて支援活動に参加し、災害廃棄物の搬出や、泥出しを行っている。当面、羽咋での支援活動を続ける。

羽咋市での支援活動(9月上旬/
Ⓒカリタスのとサポートセンター)

 同ベースが聖母幼稚園前で毎週日曜日に開く「じんのびカフェ」が好評で、毎回30人が参加する。「じんのび」とは、「のんびり」「ゆったり」などを意味する地元の言葉。仮設住宅でもカフェを開くほか、この夏は地域の祭りの支援なども行った。
 輪島ベースは、見守り個別訪問、輪島ベースでの「じんのび食堂」、仮設住宅などでのカフェ活動を実施。ベーススタッフは、民間災害ボランティア団体「輪島支援協働センター」の運営サポートなども行っている。
 輪島では1年半後の2028年3月に、6階建て3棟、計167世帯が入居できる災害公営住宅が完成する予定。
 松浦司教は、変化していく地域や地元の人たちと教会がどう関わっていくかを考える必要があると語った。

 熊本地震 ――福岡教区の動き

 熊本地震については、発災直後から福岡教区と連携し、現地視察も行ってきたカリタスジャパンが次のように報告した。
 7月28日の発災後、被害の大きかった八代市では八代教会の信徒有志がいち早く住民への支援物資配布を始めた。同教会は、2016年の震災時も教会を挙げて地域支援を行った共同体。「カトリック熊本女性の会」も10年前と同様対応が早く、八代教会が今回避難所で始めたカフェ活動(傾聴活動)に協力するなど支援活動を進めている。
 東日本大震災以降、日本の教会は「ベース」という名称で支援活動の拠点を設置してきたが、今回はベースと名付けることのないまま、自然発生的に八代教会が支援拠点になった。また八代教会は、外国人支援を行う教会以外の団体と連携しながら、物資支援を行うための拠点となっている。
 福岡教区は熊本地震の復興支援活動のためにカリタスジャパンを介してではなく、教区として募金を集めている。教区独自の支援体制づくりも模索中だ。
 初動支援に当たったカリタスジャパンとERSTは現在、福岡教区と情報共有を続けながら、要請に応じて対応する方向。
 カリタスジャパンは教区の初動を支援する一方で、広く被災地域の支援も行っていく。被災者に家電3点セット(冷蔵庫、洗濯機、テレビ)を支援する支援団体に資金援助を行う方向で調整している。

 能登と熊本―被災教会のつながり

 会議翌日の9月9日、カリタスジャパン秘書の橋本晶子修道女(援助修道会)は、同職員の山中努さん、七尾ベース長の梁良我(やな・りょうが)さんと共に羽咋市社会福祉協議会(社協)の災害ボランティアセンターを訪れ、被害状況を聞いた。

羽咋市社会福祉協議会で職員に話を聞く
カリタスジャパンの橋本修道女(中)ら

 羽咋教会も訪問した。羽咋教会は、震災直後はボランティア拠点として使われていた。現在は宿泊場所としては使われていないが、今回の豪雨災害では、支援活動のために七尾ベースから羽咋に来たボランティアたちが昼食を取ったり、休憩したりする場所になっている。使われなくなったベースが、以前とは違うかたちで使われ始めている。
 橋本修道女は、羽咋教会の聖堂で山中さんらと共に過ごした祈りの時を振り返り、こう話した。
 「教会がそこにあるとは、どういうことか、改めて考えさせられました。人手がない中で、私たちはお互いに、新たに補い合いながら出会い直しながら歩んでいるわけですが、これだけ災害が重なると、今日、支援活動を行った人が明日は被害者になるということも普通に起きてくるでしょう」
 8月下旬、片岡神父が福岡を訪れ、熊本地震の復興支援を担当するカリタス福岡の寺浜亮司神父(福岡教区)を訪問する機会があった。
 教会はその「場」(地域)に人々と共に住み、共に歩み続ける存在。「だからともにある家族として地域に入っていこうとする」。状況はそれぞれだが、そうした被災体験を持つ能登と熊本の教会同士のつながりにも希望を感じていると、橋本修道女は話していた。

羽咋教会の聖堂で

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