エルサレムのキリスト教学校、一時閉鎖 イスラエル、教職員らに入国許可与えず
【エルサレム9月2日OSV】イスラエル当局は数十人の教師や学校職員に入国許可を認めず、エルサレムのキリスト教系学校は新年度の始まりにもかかわらず、一時閉鎖に追い込まれている。
聖地管理区は9月1日、声明を発表し、エルサレムのキリスト教系教育機関事務局は、70人以上の教師や職員の入国許可書が更新されず、それは「事前通告もなく突然言い渡された」、と述べた。
そのため、関係当局と保護者の代表とエルサレムの学校間で協議・調整を行った結果、エルサレム市内の学校の一時閉鎖が決定された、と声明は説明している。その中で、閉鎖は9月1日からで、「教師と職員の必要な許可書が再発行、再更新されるまで」続くとし、「教育を確実に安全で適切に提供するためです」と説明した。
1967年にイスラエルが東エルサレムを併合した後、占領された西岸地区に住むパレスチナの人々は、エルサレムに入るために入国許可書と就業許可書を携帯することが求められている。しかし近年、イスラエルで新たに成立した法律によって、パレスチナ人の教師が仕事をすることが困難になった。
イスラエルの国会は今年1月、パレスチナ自治区内の大学で学位を取得した教育者が、イスラエル内の学校で教えることを禁止する法律を可決していた。
イスラエルのニュースサイト「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、この法律はその目的を「イスラエル国家とその価値に対して敵対するパレスチナ自治政府による有害な影響を防ぎ、ユダヤ教国で民主主義国家であるイスラエルの教育的価値を、その影響から守るため」だという。
パレスチナ自治政府の公式な通信社WAFAは、この法律の基準は、個人の学歴などの能力に基づくものではなく、パレスチナ人の研究者の排除および「標的にすること」を合法化する「政治的・イデオロギー的概念」に基づいたものだ、と報じた。
イスラエルの教育省は3月、2026年から2027年度は、西岸地区に住む171人のパレスチナ人の教師に就労許可書を与えないと発表していた。
キリスト教学校、聖地で信仰の維持担う
教会の援助組織「エイド・トゥ・ザ・チャーチ・イン・ニード」(ACN)によると、この地域のキリスト教系の学校の大半は19世紀末に創設され、キリスト教徒とイスラム教徒、双方の生徒たちを教育してきたという。これらの学校は「キリスト教教育の推進と、エルサレムでの信仰とキリスト教徒の存在を維持することを目的に創設された」とACNは報告している。
エルサレムのキリスト教系教育機関事務局は、エルサレムのキリスト教の学校は何百年もの間、「エルサレムという都市のアイデンティティー、その文化と社会機構にとってなくてはならないもの」となってきたと声明の中で述べる。
「歴史を通じて、私たちの学校は、良質の優れた教育を提供すること、知識や価値観、所属や責任の意識がしっかりと根づいた、何世代にもわたる生徒たちを育て上げることに尽力してきました」
生徒に継続的で安全な教育を
入国許可書が突然更新されなくなった事態は、学校が「2026年から2027年度の新学期の開始に向けて」準備を進める中、青天のへきれきだった、と声明は続ける。
「大人数の教職員が登校できないことは、清掃や警備に加え、教育、事務、医療を含む学校運営のあらゆる側面に影響を与えます。このような状態では、私たちの生徒に安心と安定を保障することができません」
生徒たちの「教育を受ける権利」の確約を明言し、エルサレムのキリスト教教育機関は、教職員を締め出すやり方は、「私たちの学校の安定」を損ない、「その使命を全うすることを疎外し、生徒とその家族、教職員、ひいては社会全体に負の影響を与えます」とした。
「この危機が早急に解決すること、このような措置が終わり、将来にも繰り返されないことを祈り願います。そうして私たち教育機関の安定を維持し、生徒の継続的で安全な教育を受ける権利を保障し、私たちの学校が教育的・人道的使命を果たし続けられることを願います」と声明は結んだ。

