「気候正義」を具体的な行動に移す時 温暖化に関係の薄いネパールに大被害
【カトマンズ9月4日O S V】ネパールと中国の国境沿いで8月26日に発生した大規模な氷河崩壊で、1100人以上が死亡し、約4500人が依然として行方不明となる中、カリタスネパールの事務局長を務めるクリュニーの聖ヨセフの姉妹会のセシリア・ドゥルガ・シュレスタ修道女は、世界は気候正義のために行動を起こすべきだと訴える。
セシリア修道女は9月3日、O S Vニュースの取材に応じた。「救出された人の多くは、病院で治療を受け、けがやトラウマ(心的外傷)から回復しつつあります」
「けれども何千という家族が、家や仕事、土地や財産を失い、中でも最もつらいのは愛する人を失った家族です」と修道女は述べ、「被害の全容はまだはっきりしていません」と語る。
喫緊の課題は、「一時的なシェルター、あるいは必要であれば永住可能な場を設置できる安全な土地を探し、割り当てることを含め、国内避難民を安全に保護すること」だが、ネパール政府にその責任があるとした。
「同時に政府は、被害を受けた共同体の生活再建を支援し、早期復旧、回復、復興のための計画の実行を支援する必要があります」とセシリア修道女は語り、ただし政府単独では「実行できません」と断言する。
「国内外の団体、市民社会の組織、開発支援機関からの組織だった支援と国際社会の寛大な連帯があれば、ネパールは回復に向けて歩み出すことができ、被災した共同体をより強靱(きょうじん)なものとして再建していくことができると思います」とセシリア修道女は強調する。
「この苦しみの責任は誰にあるのか」
実は今年3月、この一帯の氷河について気候変動によるリスクが警告されており、今回の災害でそのリスクが裏付けられたことになる(https://cj-news.org/world/9102/)。
「ネパールの現状を見てください。ヒマラヤの高地に位置する私たちの共同体は、気候変動の影響で、壊滅的な被害を受けています。私たちが問わなければならないのは、何の罪もなく、弱い立場に置かれた人々のこの苦しみの責任は誰にあるのかです。もちろん、ネパールの人々の責任ではありません」とセシリア修道女は憤る。
ネパールの世界における温室ガス排気量は0・1%未満だが、「ネパールの人々が、気候変動の大きな影響を被っています。これは深刻な不正義です」。
「開発援助に携わる者として、またカトリックの修道女として、世界は議論を行い、宣言を発表するだけではなく、気候正義のために具体的な行動を起こさねばならないと思います」
「特に気候危機の原因にほとんどなっていない共同体や国が、その影響を不当なまでに受け、苦しんでいるのですから」
「私が強調したいのは、今こそ気候正義のために具体的な行動を起こす時だということです」
さらにセシリア修道女は強調する。「今回の災害は、気候変動が『遠くの脅威』ではないという、大きな痛みを伴った忠告です。今この時も人々の生活に影響を与えている現実なのです。気候正義は慈善活動ではありません。正義の問題であり、弱い立場に置かれた共同体の権利の問題です」

