ネパール氷河崩壊、教会の支援始まる 前代未聞の災害に、復興は遠い道のり
【カトマンズ(ネパール)8月31日OSV】8月26日にネパールと中国の国境沿いで発生した洪水と土石流による被害は甚大で、復興への道のりは遠い、と現地に到着したカトリックの支援関係者はOSVニュースに語った。
「私たちが実際に目にしていることは、この地域で前代未聞の事態です」。こう語るのは米国司教協議会の海外人道支援・開発支援局のカトリック・リリーフ・サービス(CRS)のセンデル・クマル・グルーナサン氏。
同氏は、災害対応において、カリタスネパールを支援するためにネパールの首都カトマンズを訪れ、その数時間後にOSVニュースの電話取材に答えた。
8月26日にネパールのランタン国立公園で発生した氷河崩壊によって、少なくとも955人が死亡し、4470人以上の行方が依然として分かっていない。マグニチュード5・2の氷河崩壊が押し流したがれきは、96キロ以上も流され、その結果、米国地質調査所によると、トリシュリ川とボテコシ川沿いにあった共同体がその流れに飲み込まれ、「壊滅的な打撃」を受けたという。
この地域で撮影された動画や画像は、水と土砂が混ざった急激なうねりが川に沿って、勢いを増して下り、共同体ごと押し流す様子を映し出している。犠牲者の多くはツアー客やヒンズー教の巡礼者で、32カ国から訪れた何百人という外国人も含まれる。
中国とチベット側では中国政府の情報規制により、詳細な死傷者数の把握が困難で、外国人記者は締め出された状態だ。
教皇レオ14世は8月30日の「お告げの祈り」で、今回の大規模な土石流に見舞われた人々に、引き続き祈りをささげた。
「いのちを落とした方々、けがを負った方々、行方不明の方々、そのご家族と救助に当たる方々のために祈りましょう」「全ての人からの思いやりによって、苦しみが癒やされ、支援を必要としている人々に十分な援助が届けられますように」
道路寸断も、いのちをつなぐ道探る
グルーナサン氏は「複数の村や町が押し流されてしまいました」と語り、「土石流の状況もその被害もいまだに悪化しつつあります」と語る。
「私たちは今、食料や水、公衆衛生や避難所など緊急の最重要支援に絞って活動しています」と話すが、被災した人に必要な支援を届けることに苦慮しているとも漏らす。
「主要な道路の多くが、完全に、あるいは部分的に流されてしまいました。そのため、まずは代替経路を探しています。地元の人と協力して、走行可能な道路はないかと探しているのです。主要な道路ではないかもしれませんが、被害を免れたいのちをつなぐ道です」
長期的な支援も視野に
CRSは支援のための献金を募り始めた。グルーナサン氏は続けて、彼のチームは「政府と緊密に調整しながら」、「完全に孤立した地域や、道路の接続がない地域に、どのようにしたら援助物資を空輸できるかを協議しています」と説明した。
CRSとカリタスネパールは、「継続して被災地のニーズを調査しています」と付け加え、長期的な支援も見据え、「シェルター」と、安全な飲み水確保のための「水道の復旧」、そして共同体が「生活」を再建できるような支援を重点的に取り組んでいく、と支援の方向性を示した。
同時にCRSは、今回の災害で受けたトラウマ(心的外傷)の対処にも当たるという。
グルーナサン氏は「心の健康に注意を払うことが、今後の活動において優先順位が上がるでしょう」と指摘し、それはネパール政府と「歩調を合わせた取り組み」の一環として行われるとした。
最後に同氏は、「復興には長い時間がかかるでしょう」とし、「そのためネパールの被災した人々との連帯を実際に表すことと、生活の再建をどのように支えていくかが重要になってきます」と強調した。

