教皇、西岸地区の暴力停止を訴え 国際社会に二国家解決推進求める
【カステルガンドルフォ(イタリア)8月17日OSV】教皇レオ14世はヨルダン川西岸地区での暴力が増加している現状に警告を発し、世界の指導者たちに、イスラエルと共にパレスチナの国家としての独立を断固として押し進めるよう求めた。
教皇は滞在中のローマ南東にあるカステルガンドルフォの教皇宮殿で、8月16日に行われた「お告げの祈り」の後、こう訴えた。「西岸地区に住むパレスチナの市民に継続して行われている暴力をやめるよう改めて訴えます。さらに国際社会には公正で恒久的な平和の確立のために、二国家解決を押し進めるよう求めます」
この訴えは、イスラエルからの入植者による暴力行為が報告されている中で行われた。西岸地区の最後に残されたキリスト教徒の村、タイベでも暴力が起きている。
ロイター通信によると、イスラエル軍は、入植者によるパレスチナの人々に対する攻撃があるという口実で、非居住者がタイベ村へ近づけないように封鎖しているという。
イスラエル側は、軍が駐留しているのはパレスチナの市民を守るためだとしているが、6月に国連が発表した調査は、イスラエル軍が西岸地区で、入植者が暴力を振るうのを黙認していると非難した。
その報告書によると、イスラエル当局は「入植者が振るう暴力は問題だと一貫して認めてきた」が、一方では、入植地の拡大、インフラの不整備、入植者の保護、「暴力について罪を問わないケースの散見」など、「暴力を助長する構造的状況を奨励している」と書かれている。
最後のキリスト教徒の村、教皇に仲裁願う
タイベの「あがない主であるキリスト教会」の教区司祭、バシャール・フォワドラー神父は、バチカンニュースの取材に、入植者による暴力が続くのは、「恐怖を生み出すことで、パレスチナの家族がこの地を去るよう圧力をかける狙いの『意図的な嫌がらせ』という戦略です」と答えた。
タイベのキリスト教徒は「忘れ去られていると感じています」と神父は嘆きつつも、カトリック信者に「現地の状況を訴え」、「恐怖の中で暮らしているキリスト者の兄弟姉妹について語るよう」求めた。
さらに神父は教皇レオ14世に、「西岸地区に最後に残ったこのキリスト教徒の村で、入植者による攻撃と私たちの土地の占領をやめさせるために、仲裁をお願いしたいです。私たちは単に、正義と尊厳を伴う平和のうちに暮らしたいだけなのです」とも述べた。
ラテン典礼エルサレム総大司教のピエルバッティスタ・ピッツァバッラ枢機卿は8月15日、タイベ村を訪れ、あがない主であるキリスト教会で、聖母マリアの被昇天の祭日のミサを司式し、カトリック教会はこの村を見捨てることはないと力づけた。
「聖地全域のあらゆるレベルにおいて、西岸地区で教会を存続させるために、私たちはでき得る限り全てのことを行い続けます」
そして枢機卿はキリスト者に、マリアから学び、絶望しないよう励ました。「なぜならそのような状況は心に悪影響を及ぼすからです」
「私たちは自分たちの権利、特に生きる権利を諦めたり、放棄してしまったりせず、いのちを育む共同体であり続けたいと望んでいます。ですからどうか恐れないでください」
教皇が求める「二国家解決」は、今年1月9日に「在バチカン外交使節団への新年のあいさつ」(https://www.cbcj.catholic.jp/2026/01/15/36256/)の中で行った訴えを繰り返したものだ。

