比叡山宗教サミット39周年 受け継がれる「アッシジの精神」で諸宗教が集う
諸宗教の代表が宗派を超えて共に平和を祈る比叡山宗教サミット39周年「世界平和祈りの集い」が8月4日、比叡山上(滋賀県大津市)で開かれた。諸宗教の指導者ら約450人が参加した。
「世界平和祈りの集い」は、聖ヨハネ・パウロ2世教皇が提唱し、1986年10月にイタリア・アッシジで、世界から諸宗教の指導者らが集まって行われた世界平和祈祷集会の精神を引き継ぎ、87年から毎年日本で行われている。
「平和の職人」としての責任
「平和の祈り」に先立って、延暦寺会館で行われた「平和の式典」では、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会会長の杉谷義純(すぎたに・ぎじゅん)師(天台宗)が講演。杉谷師は、87年に開かれた比叡山宗教サミット「世界宗教者平和の祈りの集い」の事務局長を務めた経験や、カトリック教会の第2バチカン公会議がきっかけとなって、世界の諸宗教対話が徐々に進み、今日まで続けられてきた歴史を振り返った。そして諸宗教が互いを認め、敬意を持って共に使命を実現することの重要性を語った。
「平和の祈り」は、屋外の祈りの広場で行われた。初めに仏教とキリスト教の若手宗教者が一人ずつ、87年の比叡山宗教サミット「世界宗教者平和の祈りの集い」で採択された「比叡山メッセージ」を朗読。天台仏教青年連盟の代表3人が「世界平和の鐘」を打ち鳴らすのに合わせ、参加者全員が平和を祈念し、黙とうをささげた。
黙とう後、主催者の代表である藤光賢(ふじ・こうけん)天台座主のあいさつが代読された。7月28日に発生した熊本地震の被災者へのお見舞いの言葉に続けて、戦争や紛争が絶えない世界であっても、宗教者たちが対話によって相互理解を深め、共に祈ることで平和を求め続けなければならないと訴えた。そして来年、この集いは40周年を迎えるが、今後もたゆまずこの集いを続けていくことを誓う、と述べた。
海外からの平和メッセージも披露された。
仏教からは、世界仏教徒連盟のパロップ・タイアリー会長のメッセージが代読された。メッセージでタイアリー会長は、恒久平和は、互いを尊重し、ゆるし、和解することによってもたらされると説き、「平和が全ての人々の心と世界にくまなく根を下ろす」ことを願う、と述べた。
ローマ教皇庁諸宗教対話省長官ジョージ・ジェイコブ・クーバカド枢機卿からのメッセージを、尾髙修一神父(カトリック中央協議会事務局長/長崎教区)が代読した。
メッセージは、この集いに受け継がれている、祈りから生まれる平和を証しする「アッシジの精神」が、今日「かつてないほど必要とされている」と強調。教皇レオ14世が、平和は「正義と慈愛の結実」であること、人間は対話やゆるしなどの優れた手段を有しているが、武力や暴力の使用は「人々に悲惨な結果をもたらす関係性の貧困を反映している」と説いていることに触れた。そして諸宗教の指導者と信仰者には「『平和の職人』となる特別な責任」があるとも指摘し、この集いが平和構築に取り組むという共通の決意を新たにするものとなるよう呼びかけた。
「世界平和祈りの集い」の模様は、比叡山宗教サミットウェブサイトで視聴することができる。

