教皇のルルド訪問前に現地司教に聞く 聖職者の性虐待、覆われたモザイク画

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教皇のルルド訪問前に現地司教に聞く 聖職者の性虐待、覆われたモザイク画

【ルルド(フランス)7月24日OSV】教皇レオ14世は9月25日から28日まで、フランスを訪問する。その訪問で教皇が、政治的緊張によって分断された欧州に、どのようなメッセージを発するのかに注目が集まっている。
 しかし、最も重要なメッセージは、パリにある素晴らしく修復されたノートルダム大聖堂や、この光の都の街頭からではなく、ルルドから発信されることになりそうだ。ルルドは有名なマリア巡礼所で、病気の人や困窮している人を迎え入れる場所であり、同時に聖職者による性虐待の被害者たちの心を癒やす避難所となっているからだ。
 OSVニュースは、教皇のルルド訪問について、タルブ・ルルド教区のジャン・マルク・ミカ司教を取材した。教皇は9月26日にパリからルルドへ移動し、翌27日に主日のミサを執り行う予定だ。ミサは、1858年2月11日に聖ベルナデッタにおとめマリアが18回出現した洞窟の正面にある牧草地で行われる。
 ミカ司教はその準備に関わっているだけではない。この司教こそが、性虐待の被害者たちの証しに心を動かされ、2025年の3月に、性虐待を行ったとされる元イエズス会員の司祭、マルコ・ルプニク神父が制作した大規模なモザイク画の一部に覆いを掛けた人物だ。この行為は世界中で大きな話題となった。
 そのモザイク画は、ルルドにある三つの聖堂の一つ、ロザリオの聖母聖堂の前壁に飾られている。聖母出現から150年を記念して2008年に、この築100年の聖堂に飾られたものだ。制作者ルプニク神父への告発が公になる14年前のことだった。

 無原罪の御宿りに癒やし求める

 ミカ司教は、聖職者による性虐待の被害者たちにとってのルルドの意味をこう説明する。
 「この地区の司教として訪れて、ルルドは無原罪の御宿りがあるからこそのルルドなのだと実感しました」「性虐待被害者たちは、ルルドはとても重要な場所だと考えています。というのも、無原罪の御宿りに癒やしを見いだし、立ち直れる場合もあるからです」。
2022年にタルブ・ルルド教区の司教となったミカ司教は聖職者による性虐待の被害者たちが、癒やしを求めてルルドを訪れていると知り、また最近では、フランスのモザイク画家で、ルプニク神父の被害者の一人とされるサミュエル修道女が訪れたことを思い起こし、司教は「性虐待の被害者たちを受け入れ、その話を聴き、性虐待は本当におぞましい」と感じたという。性虐待をしたと思われる神父が作成したモザイク画が存在することで、被害者たちにルルド訪問を思いとどまらせているのであれば、「恥ずべきことです」と言い切り、一部のモザイク画を覆うことで、巡礼者の何人かが抱くであろう不安を和らげようとしている、と司教は言う。
 「これがここでの私の使命です」。司教はこのモザイク画が、ルルドを訪問したいと望んでいる人々の障害物になってほしくないと願っていたが、「洞窟や聖堂に入るには、モザイク画を通らずには行けなかったのです」

 被害者との面会で大胆な行動へ

 モザイク画に覆いを掛けたことについて、司教は説明を続ける。「私の使命は、大変なことを乗り越えてきた人々が誰であれ、ルルドに、そして洞窟に来て、慰めを得られるようにすることです。それは簡単なことではありませんが、そうしなければならないことは明らかでした」。さらに二度の被害者との面会が、司教にモザイク画を覆うという大胆な行動を取るよう後押ししたという。
 一度目は性虐待を受けたイギリス人の女性に会ったことで、彼女は性虐待を受けた多くの女性が癒やしを求めてルルドに来ていると言い、ルプニク神父の事案が明らかになってからは、被害者の一部はこの聖堂に入ることが「不可能」になっている現実を伝えたという。
 「これにはとても、心を動かされました。彼女は静かに、怒りもせず、けれども非常に真剣に語ってくれました」
二度目は、ルプニク神父自身から性虐待を受けたという女性たちとルルドで会ったときのこと。「彼女たちは私に、ルプニク神父がどのようにして彼女たちを虐待したかを語ってくれました」と述べ、その虐待は「モザイク画の作成途中で起き、モザイクを作成している現場で起きたのです」と司教は強調する。
「この出来事によって、このモザイク画の見方が変わりました」
 最後に、目下、手続きの準備段階にある聖座(バチカン)法廷でルプニク神父が、教会法上、有罪とならなかったとしても、モザイク画を覆ったままにするかと問われ、ミカ司教は「有罪か無罪かの判決は、簡単なものではないでしょう」と前置きし、「無罪となるならば、証言した人全員がうそをついていることになります」。「私は彼女たちがうそをついているとは思いません」

フランス南西のルルドの聖母内に建つロザリオの聖母聖堂の正面扉の上に飾られたモザイク画を覆う人(OSV News photo/courtesy Lourdes Sanctuary)
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