カナダ、ケベック州21号法 反宗教的と司教団、最高裁へ

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カナダ、ケベック州21号法 反宗教的と司教団、最高裁へ

【オタワ(カナダ)7月9日OSV】十字架は禁止。敬虔(けいけん)なムスリム(イスラム教徒)の女性とユダヤ教の男性がそれぞれかぶるヒジャブとヤームルケも禁止――。あらゆる宗教的な信仰の目に見えるしるしも、カナダのケベック州で禁止されている。
 同州で、「国家の世俗性に関する法律」として正式に知られている21号法は、権威ある立場にある公共部門で働く人々――教師、警官、政府の弁護士や裁判官など――が、職務中に宗教的シンボルを身に着けることを禁止しし、さらにこの法は、公的資金を受けている保育所や介護施設、私立学校、能力開発センターなどの職員にも禁止を拡大している。
 この法は2019年6月16日、ケベック州議会で可決されたもので、ケベックが世俗州で、政教分離を目指すと宣言するものだ。
 ところがこの21号法に今年3月、カナダの司教協議会が「信教の自由」と「平等」に与える影響を懸念し、カナダの最高裁に異議申し立てをした。4日にわたる論議の後、判決を待つ段階に入った。
 カナダの司教協議会は、事実に関して法的陳述書ではっきりと意見を主張し、カナダの最高裁に提出した。それには「21号法の目的と影響は、反宗教的で中立性を欠くイデオロギーの押し付けであり、カナダの連邦法を一方的に改正するものです。それはケベック州の管轄の範囲を超えています」と書かれている。
「カナダの憲法は、基本的権利と自由は神から与えられたものとする政治的理論に基づいています」「また、多元主義と宗教を擁護するものです。21号法が主張しているように、明らかな反宗教的視点を採用することは、既存の連邦法の修正に当たります」と批判している。
 さらに司教団は、「ケベック州は宗教を信じる人々に無神論的姿勢を押し付けようとしています」と断言し、「宗教的シンボルが、根底にある個人的信仰を明らかにするように、宗教的シンボルを禁止することは、州政府の神を否定する見解を明らかにしています」と続けた。
 
 判決次第で将来の権利制限の可能性

 著名なカナダの学者で、作家でもあるマイケル・W・ヒギンズさんは、21号法への最高裁の判決を厳しい視点で見ている。
 「この法が合憲と判断されるなら、市民権や信教の自由という公民権にとって大きな修正が加えられることになります」とヒギンズさんはOSVニュースに語った。「その影響はカナダ全土に及びます。そのため、21号法の合憲判断に対する反対は、宗教界からだけでなく、他の公民権団体から、さらには『適用除外条項(原則として適用されるが、特定のケースでは適用されないことを定める条項)によって権利が制限されるようになるならば、将来的に見て、その他の権利や自由も同様に制限を受けるのではないか?』と懸念するいくつかの団体からも反対の声が上がっているのです」

カナダのオンタリオ州オタワにある最高裁判所(2019年11月4日撮影)。ケベック州の21号法が公共部門で働く人に宗教的象徴の着用を禁じていることに対してなされた司教協議会の異議申し立てに関して、2026年3月、最高裁では4日間にわたる公聴会が開かれた。 (OSV News photo/Chris Helgren, Reuters)
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