関東カトリック6大学 「灯(ともしび)」テーマにミサとシンポジウム
関東にある六つのカトリック大学の学生たちが6月13日、東京の麴町教会でミサとシンポジウムを行い、互いを知ることを目指して交流を深めた。主催は「関東カトリック大学合同プロジェクト2026実行委員会」。学生と司祭、修道者、教職員111人が集った。
昨年から「関東カトリック大学合同プロジェクト」に
カトリック精神の下、2024年から始まった、白百合女子大学、上智大学、聖心女子大学、清泉女子大学、東京純心大学の学生たちが自主的に交わりを深める「東京カトリック5大学合同プロジェクト」。25年からは聖マリアンナ医科大学(神奈川県川崎市)が加わり、「関東カトリック大学合同プロジェクト」に名称を変えた。新名称になって2回目となる交流のひとときを持った。
テーマに選んだのは「灯(ともしび)」の一文字。それぞれの大学で学ぶ仲間たちが出会い、互いに刺激を受けながら将来への希望や新たな一歩につながる機会になることを願って選ばれた。
出会いは『奇跡』
同教会マリア聖堂でのミサでは、各大学の聖歌隊が合同で聖歌を担当。山内保憲(やすのり)神父(イエズス会)が主司式し、各大学で奉仕する9人の司祭らと共にミサをささげた。
この日読まれた福音は「地の塩、世の光」(マタイ5・13~16)。山内神父は説教で、長い付き合いがあった青年が、昨年、急に病に侵され、今年5月に帰天した経験を分かち合った。その青年は「いつも(周りの人々に)喜びを与えていました」。山内神父は、もし自分がその青年のようにあと数日で神のみもとに旅立つとしたら、と想像してみてほしいと呼びかけた。
「今日集まれたことは大きな喜びです。出会いは『奇跡』なのだと、『あなたがここにいてくれたことに感謝』して」これからの時間を過ごすようにと、学生たちに語りかけた。
共同祈願では、大学ごとの祈りの意向に心を合わせて祈り、奉納では、学生たちが創立者の御影(ごえい)や大学マスコットなど、各大学ゆかりの品々をささげた。

同教会ヨセフホールで行われたシンポジウムでは、各大学の代表者が一人ずつ登壇。大学の歴史や建学の精神を紹介するとともに、「与」をテーマに、各々が大学での活動や学びの中で考え、体験した「与えること、与えられること」について発表した。
登壇者の一人、山田桃花さん(清泉女子大学3年)は、一人の修道女との出会いによって考え方が変えられた経験を分かち合った。山田さんは、入学前は宗教に対してあまり良いイメージを持っていなかった。また、仲の良かった友人と疎遠になってしまったことを機に、孤独を感じていたという。その修道女がある日、山田さんを「SEO(セオ)グループ」というカトリックの精神で活動する会に招き入れてくれたことで、仲間と出会うことができた。修道女から受けた無条件の愛と励ましによって、山田さんは「私自身が誰かを支える存在になりたい」と強く願うようになった、と話した。
シンポジウム後、学生たちはいくつかのグループに分かれて、分かち合いの時間を持った。交流パーティーでは、合同聖歌隊による「六大学校歌スペシャルメドレー」も披露された。
福音の価値観を共有し、共に歩む
看護を学ぶ加藤蓉学子(ゆなこ)さん(東京純心大学4年)は、今年初めて実行委員として参加。「無事に終わって良かったです。(自分は)クリスチャンですが、カトリックのことをよく知らなかったので不安だったのですが、皆と一緒に活動できて良かったです」
聖マリアンナ医科大学2年の小菅憲一朗さんは、同大学の職員に誘われて実行委員として参加した。「6大学が集まると、試験などで忙しい時期もあってスムーズに進まないこともありました。ここまで来ることができて安心しています。(準備のための)ミーティングで各大学を訪ねる機会があったことも良かったです」
大崎月愛(るな)さん(清泉女子大学3年)は、「短いスパンでの準備でした。(実行委員として)主に総括を担当しました。(この活動は)皆さんの支えがないと成り立たないですし、カトリック(大学同士)の架け橋になっていると思いました」。
白百合女子大学・カトリック教育センター事務室職員の山口菜見子さんは、「各大学の学生たちがよく準備して、シンポジウムでは、(自分の)伝えたいことを自分の言葉で伝えられる力があることを知ることができました」と全体を振り返った。
教員の立場で、全体の取りまとめを担ったデソーザ・アルン・プラカシュ神父(上智大学助教、清泉女子大学チャプレン/イエズス会)は、3年前にこのプロジェクトを企画した際の、ある大学教員の言葉を思い出すという。
「カトリック大学が集まる目的は、単にイベントを成功させたり、何かを達成したりすることではありません。同じ教育理念と福音の価値観を共有する大学が、同じ場所に集い、同じ目的に向かって歩むこと。その志こそが、この取り組みの根底にあるのです」
デソーザ神父は「各大学の学生やスタッフの皆さんが、一つの心、一つの志をもってこの企画に取り組み、当日ここに集われたことは、まさにその先生がおっしゃったとおりであったと思います。この出会いを一度限りのものとするのではなく、今後もそれぞれの場で福音の価値観を生き、再び集うことができることを願っています」と感想を述べた。

