交戦放棄の核心は戦争による「深い傷」 沖縄慰霊の日に いのち・平和・人権委員会

 6月23日の沖縄慰霊の日に当たり、「日本カトリックいのち・平和・人権委員会」が平和メッセージを発表した。メッセージでは、交戦・武装放棄の核心となるのは、戦争によってもたらされた“深い深い傷”だと指摘。その傷を恨みや復讐(ふくしゅう)の根拠とせず、また傷を消し去ろうともせずに反芻(はんすう)し、「涙しながらこの苦しみを二度と、誰にも及ぼしてはならない」と誓い続ける沖縄の“絶対平和希求の精神”を、「世界の宝」とうたっている。

ウェイン・バーント司教

 社会司教委員会は、これまで社会や教会に向けたメッセージを各委員会で発表してきたが、今年4月に諸委員会等が統合されたことに伴い、「いのち・平和・人権委員会」として発表。今回のメッセージは同委員会担当司教の一人、ウェイン・バーント司教(那覇教区)が担当した。

 平和メッセージのタイトルは「沖縄からの叫び『NO MORE WAR(ノー モア ウォー)!』」
 81年前に沖縄で起こったことを思い起こしながら、世界情勢にも目を向け、心と言葉を尽くして、「二度とこの戦争の苦渋を誰にも味わわせてはならない!」との思いを表明している。

 また平和への途(みち)は「報復の連鎖を絶つこと」と指摘。沖縄の人々が、「ありとあらゆる地獄を詰め込んだと言われる戦場の体験」を経ても、なお誰も恨まない在り方を静かにたたえる。

 「『一切の交戦、武装を恒久的に放棄する』ための最も奥深い核心となるのは、“悲痛”です。戦争によってもたらされた“深い深い傷”です」

 「海深くひっそりとたたずむ貝は、痛みをもたらす石などの苦痛の種が体内に入ると、もがき苦しみつつも、取り除くことのできないこの痛みの源を何度も何度も撫でて包み込み、やがて光り輝く真珠へと変えるそうです。この真珠貝のように健気で、誠実真摯(しんし)なウチナーンチュ(編集部注:沖縄の人々)が生み出した非戦・非暴力の精神は、まさに真珠のようです」

 戦争の傷跡を恨むことも、復讐の根拠とすることもなく、また傷を拒み消し去ろうとすることもなく、「悲痛」を反すうし、この苦しみを誰にも及ぼしてはならないと自身のうちに包み込み、その魂を真珠のように輝かせてきたのが沖縄の「絶対平和希求の精神」だとメッセージは述べる。

 最後は次の言葉で結ばれる。
 「この珠玉の精神を大切にし、尊重し、それに学ぶなら、実現不可能と思われる真の世界平和が訪れるでしょう。なぜなら、そのような生き様こそ私たちの主キリストの平和の途へと連なる生き方だからです。 『世界よ、絶対平和希求の精神に学べ NO MORE WAR(ノー モア ウォー)!』」

 メッセージ全文はこちら

2025年6月23日、那覇教区平和巡礼。太平洋戦争末期、人々が逃れた道を歩く

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