「この戦争を終わらせねばならない」 バチカンの大司教、ロシア外相と会談

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「この戦争を終わらせねばならない」 バチカンの大司教、ロシア外相と会談

【モスクワ(ロシア)8月26日OSV】教皇庁(バチカン)国務省外務局長のポール・リチャード・ギャラガー大司教は、ロシアの政府高官らにウクライナとの戦争を終結し、国際社会の力を借りて、交渉を始めるよう求めた。
 「聖座(バチカン)の立場は一貫して明確です。紛争は軍事力では解決できません」
ギャラガー大司教は8月25日、モスクワで開かれた記者会見にロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と共に臨み、こう語った。
 「真剣な政治的・外交的プロセスへ進むための状況を整備することが大切です」「聖座は両国に、心を開いて善意を示し合うよう働きかけています。そうすることで、両国の対話が速やかに実現するでしょう。はっきりさせておきたいことは、この戦争を終わらせなければならないということです」と大司教は強調した。
 ギャラガー大司教は、4日間にわたりロシアを訪問し、高官級の2国間会談を持った。大司教とラブロフ外相の会談は、5年前の2021年に行われて以来2度目。
 記者会見に臨む前、大司教とラブロフ氏は1時間以上の会談を持ち、その会談には駐ロシア教皇大使のジョバンニ・ダニエッロ大司教も同席した、とバチカンニュースは報じた。

 共に話し合うことは責任ある行動

 記者団に対し、ラブロフ氏は大司教との会談を「包括的」で「現実的」だったと語り、「地政学的状況の基本的変化」にもかかわらず、バチカンとロシアの関係は「引き続き信頼に基づき、友好的で、現実的」だと述べた。
 その一方でラブロフ氏は、この機会を利用して、欧州のウクライナへの支持を「キーウ体制」だと呼んで非難した。
 ロシアは2022年2月24日にウクライナへの全面侵攻を開始した。2014年にロシアがクリミア半島を一方的に併合したことが火種となり、紛争が激化。ニューライン・インスティテュートとラウル・ワレンバーグ人権センターが共同で発表した報告書によると、ロシアによる全面侵攻は、その性質上、大量虐殺と定義されている。侵攻以来、ロシアが継続して民間のインフラや施設を攻撃し続けているためだ。
 ギャラガー大司教は声明の中で、ラブロフ氏との会談は「建設的」だったという点に焦点を当て、「高い緊張状態にある国際情勢の中で、実際に会い、問題を明確にし、共に話し合うこと自体がすでに責任ある行動のしるしとなります」と強調した。
 「対話は意見や、対応の仕方の違いを排除せずに、無理解や疑念を示す言葉だけを発する状態に陥ることを防いでくれます」
 さらに大司教は、ウクライナとロシア両国ともに「対話の可能性を維持する」必要性と、市民の保護と、「人道上の問題について協力することの重要性」については合意しているとした。

 大司教、教皇の言葉を繰り返し伝える

 大司教は、特に「意見の食い違いがあるとき」こそ、外交の必要性が際立つと言及し、ウクライナでの戦争を巡るバチカンの「深い懸念」を表し、「何の罪もない市民の苦しみ」に遺憾の意を表した。
 「この理由から対話の中で、戦争の終結と、国際社会の助けを借りつつ、真剣な交渉を始めるよう繰り返し訴えました」と大司教は述べる。
 そして真の対話には、戦争が長引くほど、「適切な解決策にたどり着くことがより困難になり、その間も人々の苦しみが増え続ける」という「事実を正しく認識する」意味合いが含まれる、と強調した。
 「教皇様は最近、平和はたまものであり、責任を伴うものだと繰り返し表明されています」と大司教は述べ、「平和とは非武装、そして武装解除だと定義されています。外交関係に関して、このような平和を追求することは、緊張緩和、対話、信頼構築の手段、軍縮の推進も意味するのです」と述べて発言を締めくくった。

8月25日の会談に続き、記者会見を開く教皇庁バチカン国務省外務局長のポール・リチャード・ギャラガー大司教とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相。大司教はロシアの政府関係者に、ウクライナとの戦争を終結し、国際社会の支援を得て、交渉を始めるよう求めた (OSV News photo/Ramil Sitdikov, pool via Reuters)
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