日本でのホスチア製造継続のため 司教団 山口女子カルメル会への寄付を呼びかけ

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日本でのホスチア製造継続のため 司教団 山口女子カルメル会への寄付を呼びかけ

 日本カトリック司教協議会会長の菊地功枢機卿らは7月、全国の教会に向けて「ホスチア製造のための新しい機械の購入・設備のためのご協力のお願い」と題した文書を発表した。
 文書は、国内の約6割のホスチアを製造してきたカルメル修道会聖家族修道院(長野県下伊那郡泰阜〈やすおか〉村、以下・泰阜カルメル会修道院)が約1年後に閉院することを受け、製造を引き継ぐ決断をしたカルメル修道会教会の母マリア修道院(山口市、以下・山口カルメル会修道院)への寄付を呼びかける内容だ。
 山口カルメル会修道院では、約1年後の製造開始に向けてホスチアを焼く機械などを導入する計画だが、必要な資金を確保できていない。

1. 日本におけるホスチア供給の現状 
2. ホスチア作り継続のため 寄付の方法

1. 日本におけるホスチア供給の現状

 ホスチア製造が滞る事態を「憂慮」

 泰阜カルメル会修道院(入江泰子管理上長)は、現在日本に9カ所ある女子カルメル会の修道院の一つ。各修道院は院長の下に独立しているが、日本の女子カルメル会として「日本女子カルメル会連合」(会長・十勝女子カルメル会幼きイエズス修道院 宮之内千恵院長)をつくり、互いに連携している。
 世界的に修道院の閉鎖が相次ぐ中、2025年の連合顧問会で泰阜の修道院閉鎖が提案された。この提案を受け止め、入江管理上長ら泰阜の会員は、現在それぞれ転属先に向かう準備を進めている。
 泰阜カルメル会修道院は2001年、西宮カルメル会修道院(兵庫県)から派遣された修道女たちによって設立。西宮の修道院が1947年の創設時から続けていたホスチアとろうそくの製造からホスチアの製造事業を引き継ぎ、現在に至る。
 女子のカルメル会は、社会の中で奉仕する「活動修道会」ではなく、全ての人々のために、修道院内での祈りによって教会に奉仕することを目的とする「観想修道会」だ。
 入江管理上長は、ホスチア製造への思いをこう表現する。
 「観想会の仕事として、ホスチア製造は本当にありがたい仕事です。イエス様の御(おん)からだに関わることに携わることができ、教会との関わりを持たせていただくこともできます。単純作業なので祈りと仕事を一致させやすく、感謝と誇りをもって従事させていただきました。何より、教会への奉仕という大きな使命感をもってまいりました」
 だが閉院を決めた当初、ホスチア製造を引き継ぐことのできる修道院は見つからなかったという。
 入江管理上長がこの現実に「大変、心を痛めて」いたところ、山口カルメル会修道院(高園泰子院長)がホスチア製造の滞る事態を「憂慮」。同修道院で約40年続くスリッパの製造を減産し、ホスチア製造事業を引き継ぐことを決断した。

 泰阜でのホスチア製造

 泰阜カルメル会修道院は、国内400の小教区、50の修道会(修道院210カ所)のほか、神学校、聖公会、プロテスタント教会などの需要に応えてきた。
 月ごとの生産数は、小型の「信徒用」のホスチアが約20万枚(クリスマスは約27万枚)、大型の「司祭用」のホスチアは1万1000枚。生産が注文に追い付かない場合は鹿児島県の聖血(おんち)礼拝修道会を案内し、「助けて頂いています」。
 「日本の教会で使われるホスチアは、やはり輸入ではなく、日本で焼いたものを使っていただけるよう、現在ホスチアを製造している他の修道院・修道会と協力し合っていきたい」との思いからだ。
 入江管理上長によれば、現在、日本でホスチアを製造しているのは、泰阜カルメル会修道院のほか、鹿児島県の聖血(おんち)礼拝修道会、大分県の厳律シトー会、愛知県のドミニコ会と、栃木県の聖血礼拝修道会の修道院で、計5カ所ある。

現在ホスチアを製造している修道会の修道院(赤丸印
・5カ所)に、製造開始に向けて準備中の山口・カルメル
修道会の修道院(青丸印・1カ所)を含めた地図

 泰阜で作られるホスチアの量は、現在、国内生産量の約6割を占める。
 山口カルメル会修道院はこの事業を引き継ぐが、人手不足の上に収入源の限られる観想会にとって容易なことではない。
 同修道院では、ホスチア製造のための作業場を既存の倉庫や別の仕事で使用していた部屋を改修して整える考え。
 一方、ホスチアを焼く機械は、全自動式の導入を希望している。
 理由の一つは、泰阜の修道院が西宮時代から約50年使用してきた手焼きの機械は鉄板が非常に重く、作業者の負担になってきたことだ。山口の共同体が兼業をしながら泰阜の事業を引き継ぐには、作業負担の少ない新しい機械の導入が不可欠になる。
 泰阜のホスチア製造の現場では、これまで焼き上がりの成功率は「秋から春にかけては90%を越えるように感じますが、梅雨から夏にかけては気温と温度が影響するようで非常に難しく」、70~80%ほどに落ちるという。新しい機械を導入することで、成功率は年間を通じて90%以上に向上すると見込む。
 ホスチアのシートからホスチアを裁断する作業は、格段に速くなる。
 例えば大判の「司祭用」ホスチアは現在、1シートから12枚のホスチアを1枚ずつ裁断しているが、導入予定の機械を使うと、一度に18枚分を裁断することが可能になるという。
 また高齢者の多い日本の教会からの注文は、半数以上が口の中で溶けやすい薄手のホスチアだ。しかし今年、入江管理上長がホスチアを焼く機械の製造について国内のメーカーに尋ねると、泰阜で製造している薄手のホスチアのように、厚さ1・2ミリで光沢のあるものを焼く機械を作ることは、技術的に不可能という回答だった。
 そのため山口の修道院の高園院長は、歴史のあるイタリアのホスチア製造機のメーカーから、薄手のホスチアを焼くこともできる全自動の機械の導入を希望している。
 泰阜で行ってきた作業の中でも、特にホスチアを湿らせたり、乾燥させたりする作業は「非常に原始的」で、今後入会する志願者が継承することは難しいと思われたことも、全自動機械の導入を希望する理由だという。

 泰阜での作業工程

 泰阜カルメル修道会聖家族修道院では、現在、以下の工程でホスチアを製造している(写真はいずれも同修道院提供)。
 ①水と小麦粉を混ぜて作った生地を焼き台の上に広げ、ホスチアのシートを1枚ずつ焼く。

1枚の焼き時間は1分半~2分弱。1枚のシート
から大型の「司祭用」ホスチアは12枚、小型の
「信徒用」は薄手が66枚、厚手が52枚取れる

 ②卓上コンロで蒸気を沸かした小部屋に①を入れ、湿らせる。

加湿具合は、その時の湿度や気温を
見ながら「手の感覚」で微調整する

 ③加湿したホスチアのシートを「司祭用」と「信徒用」それぞれ専用の機械で、1シートずつ裁断する。

「司祭用」ホスチアを切り分ける際は、
専用の機械を操作し、1枚ずつ裁断している
小型の「信徒用」ホスチアの裁断

④裁断したホスチアを、除湿器をかけた小部屋に入れ、一晩乾燥させる。
⑤選別作業では、ひび割れ、焼け目や欠けの有無、裁断面のなめらかさなどを確認する。
⑥選別したホスチアを数えて袋詰めする。

「信徒用」の薄手のホスチアは100枚ずつ、
厚手は50枚ずつ袋詰めをする
 日本でホスチアを安定供給していくために

 文書「ホスチア製造のための新しい機械の購入・設備のためのご協力のお願い」は、菊地枢機卿、白浜満司教(広島教区)と高園院長3者の連名で発表された。
 同文書によれば、山口の修道院は、イタリアのメーカーから全自動のホスチア焼成機2台と、シートカッター2台を購入する予定で、改修工事費を含めると約6000万円の資金が必要だ。
 日本女子カルメル会連合では、既に国内の男女の修道会や宣教会に対して2000万円を目途に寄付を呼び掛けているが、残りの約4000万円を集める必要があるという。
 同文書は、どの教区・小教区も厳しい財政状況にあると思われるが、「大きな犠牲を受け入れて」ホスチア製造事業を引き受けようとしている山口カルメル会修道院のために、可能な範囲での支援をと、寄付を呼びかけている。

2. ホスチア作り継続のため 寄付の方法

 山口カルメル会修道院へ寄付をする場合は、郵便局の口座に振り込む。募金の期間は、2026年8月から27年7月まで。
 送金後、以下の④の項目(寄付をした小教区や個人の名前、金額など)について、ファクシミリまたは郵送で同修道院へ通知する。

①【寄付の意向】山口女子カルメル会修道院におけるホスチア製造のための新しい機械の購入・設備のため

②【振込先】
・郵便局から振り込む場合
口座記号番号 01330-4-114437
口座名称 カトリック・カルメル会修道院(カトリックカルメルカイシュウドウイン)
仁保郵便局

・他行などから振り込む場合
店番 一三九(イチサンキユウ)店(139)
当座預金
口座番号 0114437

③【寄付の通知方法】(以下のどちらか)
・ファクシミリ FAX 083-929-0268
・郵送 〒753-0302 山口市仁保中郷103 山口カルメル会 教会の母マリア修道院(電話 083-929-0264)

④【通知する内容】
・寄付をした小教区、教会共同体、個人などの名前
・連絡先(住所と電話番号)
・振込日
・金額

 菊地枢機卿らの連名による文書「ホスチア製造のための新しい機械の購入・設備のためのご協力のお願い」は、札幌教区のウェブサイトに掲載されている。同文書には、寄付後、通知する際に利用できる「通知票」も付いている。

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