ニカラグアの司教、警察が拘束 教会弾圧で既に300人以上が亡命
【マナグア(ニカラグア)7月7日OSV】また一人のニカラグアの司教が警察に拘束され、行方不明となっている。ますます独裁色を強める同国で、「信教の自由に対する攻撃」が引き続き行われていることを受け、米国は非難の声を上げた。
フアン・アベラルド・マタ司教は6月29日、警察に拘束された。その前日、司教はエステリ市でミサを司式し、その中で、ニカラグアで迫害を受けているカトリック教会のために祈るよう求めていた。ニカラグアの独立系メディア、コンフィデンシャルが報じた。
同国内務省はマタ司教の拘束を認めたが、7月4日の声明で、司教は「自宅に戻り、健康状態も良く過ごしている」とした。声明は続けて「マタ司教はその時々でニカラグア国民も周知の通り、国内法を侵害する数々の事例について声明を発表してきた」と述べる。
しかし、コンフィデンシャルやカトリック教会関係者は、マタ司教の行方はまだ分かっていないと訴える。
「独裁政権がマタ名誉司教を無事に家へ戻すまでは、政権が発表する一切の声明はうそということになります」と、ニカラグアの教会弾圧を追っている、国外追放された弁護士のマルタ・パトリシア・モリーナさんは7月4日、X(旧ツイッター)に投稿した。「司教は自宅におられません。この件について詳しく知っている司祭たちが、そのことを確認してくれました」
モリーナさんは7月6日、OSVニュースの取材に、内務省の発表にもかかわらず、マタ司教に近い人たちは誰も司教の姿を見ていない、と語った。
またモリーナさんはコンフィデンシャルに、マタ司教が拘束される前にミサをささげた小教区の司祭、フランシスコ・モラレス神父も拘束され、行方が分かっていないと訴えた。ウィルフレッド・アラウス・ロドリゲス助祭も同様に拘束されたが、釈放された。
教皇、亡命強いられた司教たちと謁見
米国務省の西半球局は7月4日のXへの投稿で、「私たちは、オルテガ氏とその妻ムリージョ氏の共同大統領による独裁体制(サンディニスタ体制)によって、独断的に拘束されたマタ司教の即時無条件釈放を要求します。80歳のマタ司教がオルテガ政権にとって脅威となることはありませんし、司教の健康状態も心配です。オルテガ氏らの独裁政権が、残忍な宗教迫害や弾圧を続けていることに、改めて抗議します」と非難した。
マタ司教の拘束は、サンディニスタ体制下でカトリック教会への弾圧があることを明確に思い起こさせるものだ。その弾圧によって、司祭は自身の説教に検閲を強いられ、小教区は行列を教会の敷地内だけにとどめざるを得ず、聖職者たちは国外への避難を余儀なくされている。モリーナさんは、4人の司教と共に、300人以上の司祭、修道者、神学院生が亡命していると語った。そのため、国内に残る聖職者の多くが高齢だ。
この状況を見かねた教皇レオ14世は昨年の8月23日、亡命している4人の司教のうちの3人を非公開の謁見に招いた。教会関係者によると、ニカラグアの国外にいても、教導職を続けるようにという教皇の励ましの表れだという。モリーナさんは、共同大統領は、反対意見を持つ全ての人々を弾圧しているので、体制にとって無害な聖職者を求めているのではないかと推測する。
教皇に招かれたうちの一人、首都マナグア教区のシルビオ・ホセ・バエス補佐司教は、現在は米国のフロリダ州で司牧している。2019年に、前教皇フランシスコが司教の身の安全のために、ニカラグアを離れるよう促したためだ。そのバエス司教は7月5日に放送されたコンフィデンシャルの取材に、教皇レオ14世が昨年5月に教皇に選出された後、積極的に亡命した司教たちに連絡を取っていたと明かした。
「教皇に就任された後、教皇様はニカラグアの情勢について、とても詳しく理解しておられると分かりました。現地で起きていることについてご存じですし、教会の状況や私たち自身の状況も理解しておられます」とバエス司教は続けた。
「ニカラグアの国全体、ニカラグアの教会、司祭たち、司教たちのことが、教皇様の心とお考えの中にあるのだと、確信しています」

