社会系諸委員会の方向性など承認 2025年度臨時司教総会

 日本カトリック司教協議会(会長=菊地功枢機卿/東京教区)は2月16日から20日まで、東京・江東区の日本カトリック会館で2025年度臨時司教総会を開いた。現在の「外国籍信徒司牧部門」について、「多文化共生司牧部門」へ名称を変更するほか、これまで検討を重ねてきた社会司教委員会系諸委員会の今後の方向性を承認した。

 総会には、司教16人が出席し、オブザーバーとして日本カトリック管区長協議会と日本女子修道会総長管区長会の代表4人も参加した。
 昨年6月の定例司教総会で日本カトリック司教協議会の組織改編が承認されたが、新たに設置された「外国籍信徒司牧部門」は言語別ミサや外国籍信徒の司牧活動を主とする部門であるかのような印象を与える恐れがある。しかし、同部門が目指すべき方向は、特定の言語集団への個別的な司牧に限定されるものではなく、日本のカトリック教会が多国籍・多文化の信徒と共に一つの共同体を築き、異なる文化的背景を持つ信徒が日本の教会の中で共に信仰を生きることを支え、多文化共生の視点から宣教司牧を推進することであるので、「多文化共生司牧部門」に名称を変更することになった。
 また、これまで検討が重ねられてきた社会司教委員会系諸委員会の今後の方向性については、今回の総会で、2026年4月から、社会司教委員会の下にあった全てのセクション(正義と平和協議会、難民移住移動者委員会、部落差別人権委員会、子どもと女性の権利擁護部門、HIV/AIDS部門)を統合して、一つの委員会を設立し、その名称を「いのち・平和・人権委員会」(”Committee for Life, Peace and Human Rights”)とすることを承認した。
 教会内外の活動ネットワークと連携し、今まで各委員会が個別で行っていた活動を一つの委員会に統合することによって、カトリック教会として福音的価値観に基づいた提言や取り組みをよりいっそう推進することが期待されている。
 加えて、「いのち・平和・人権委員会」の委員長として森山信三司教(大分教区)を選任し、同委員会の教区担当者を各教区に置くよう依頼することを承認した。
 主な報告事項と審議事項は次の通り。

報告事項

1. 第2回「司祭生涯養成プログラムA」開催予定に関する報告
 「日本の教会における司祭生涯養成プログラム」に基づき、2回目となる「司祭生涯養成プログラムA」を2027年1月に開催する予定とし、実行委員会で準備を始めたことが司祭・終身助祭生涯養成委員会委員長のエドガル・ガクタン司教から報告された。
2. 南海トラフ巨大地震対応覚書に関する報告
 「南海トラフ巨大地震発生時における、被災教区の支援体制構築のためのカトリック中央協議会による初動支援についての覚書」がカリタスジャパンの成井大介責任司教(新潟教区)から報告された。
3. 2026年度教区分担金に関する報告
 各教区負担の2026年度分担金が増加することが財務委員会委員長の梅村昌弘司教より報告された。
4. 「2026年度四旬節キャンペーン大綱」承認に関する報告
 2025年12月の常任司教委員会において、「2026年四旬節キャンペーン大綱」が承認された。教皇の四旬節の意向に合わせて募金を行うが、国内・海外を問わず、その年に必要とされているカリタスジャパンの援助活動に配分することが成井大介責任司教から報告された。
5. 教皇庁教理省文書に関する報告
 教皇庁教理省文書『超自然現象とされるものの識別手続きのための規則』(2024年5月17日公布)と『信じる民の母―救いのわざへのマリアの協力に関連するマリアのいくつかの称号について』(2025年11月4日公布)を翻訳した岩本潤一氏から両文書の概要説明が行われた。
6. 2028年の教会総会に向けた日本の教会の具体的取り組みに関する報告
 2028年の「教会総会」までの日本の教会としての具体的な取り組みの方針がシノドス特別チームの小西広志神父(フランシスコ会)から報告された。

審議事項

1.「復活ろうそくの祝福の祈り」の試用に関する件
 「復活ろうそくの祝福の祈り」の3年間の試用を承認。試用版をカトリック中央協議会のウェブサイトで公開する。
2.社会司教委員会系諸委員会の今後の方向性に関する件
 ① 2026年4月から、社会司教委員会のもとにあった全てのセクション(正義と平和協議会、難民移住移動者委員会、部落差別人権委員会、子どもと女性の権利擁護部門、HIV/AIDS部門)を統合して、一つの委員会を設立し、その名称を「いのち・平和・人権委員会」(”Committee for Life, Peace and Human Rights”)とすることを承認。
 ② 「いのち・平和・人権委員会」の委員長として森山信三司教(大分教区)を選任。
 ③ 教区担当者の任命依頼をしていた社会司教委員会系諸委員会・諸部門は、その任命を終了し、2026年4月より発足する「いのち・平和・人権委員会」の教区担当者を各教区に依頼することを承認。
3.「外国籍信徒司牧部門」の名称変更に関する件
 現在の「外国籍信徒司牧部門」について、その活動の実態と使命をより的確に表すために、「多文化共生司牧部門」へ変更することを承認。
4.2026年度特別臨時司教総会開催に関する件
 2026年度定例司教総会と臨時司教総会の間に以下の日程で特別臨時司教総会を行うことを承認。
 2026年度特別臨時司教総会 2026年9月30日(水)9時~10月1日(木)正午
5.2026年度カトリック中央協議会収支予算書案承認に関する件
 2026年度(宗)カトリック中央協議会収支予算を承認。

※本総会のダイジェスト動画は、カトリック中央協議会ウェブサイトから視聴可。

臨時司教総会のダイジェスト動画から、開会の祈り。右端はジュゼッペ・フランコーネ駐日教皇庁大使館臨時代理大使
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