仙台教区いのち・平和・人権委員会 発足記念講演会開く 森山司教を講師に

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仙台教区いのち・平和・人権委員会 発足記念講演会開く 森山司教を講師に

 これまで日本の教会の社会的問題に取り組んできた五つの委員会および部門が4月から一つに統合され、「いのち・平和・人権委員会」(委員長=森山信三司教/大分教区)として歩み始めた。それに伴い、仙台教区では教区の「いのち・平和・人権委員会」をスタートさせ、5月9日、仙台市の元寺小路(もとてらこうじ)教会で発足記念講演会を行った。
 この日のテーマは「なぜ教会は社会問題に関わるのか~シノダリティ(ともに歩む)の中で平和について考える~」。約60人が集って森山司教の講演を聞いた後、平和を求める派遣ミサを共にささげた。

「正義と平和はセット」 森山司教が講演 

 森山司教の講演は午前と午後の2度にわたって行われた。

森山信三司教


 午前の講演では、「平和」を意味するヘブライ語の「シャローム」という言葉を取り上げ、それが単に戦争がない状態を指すのでなく、神と人、人と人との関係に傷や断絶がない状態を意味すると説いた。また聖書の中の「正義」は、「人として当たり前に生きる権利を奪われ、苦しみを抱えた人がいたなら、その権利を回復させること、また富が再分配され平等な社会を目指すこと」と解説し、「正義と平和はいつもセット」だと指摘した。
 イエスが十字架上での死を遂げたことで神と人、人と人を隔てる壁を壊したことにも森山司教は目を向け、ミサの中で繰り返される「主の平和」という言葉は、イエスの姿に倣い、力を頼むことなく神の働きに協力するという意味を持つと話した。
 午後の講話では、聖ヨハネ・パウロ2世教皇(1920~2005年)や日本の司教団など、教会の教導職が教える平和について解説。現在の教皇レオ14世が、就任時から平和を訴えていることを振り返り、教皇に従って平和のために連帯しようと呼びかけた。

 イエスの平和は武器のない平和

 講演後のミサは、日本カトリックいのち・平和・人権委員会の担当司教の一人であるエドガル・ガクタン司教(仙台教区)が主司式した。
 説教を行った森山司教は、カトリック教会には19世紀末から、社会の中での教会と信仰者の道を指し示す「社会教説」という教えがあると話し、「教会は、社会の中に入って、弱い立場にある人、周縁に置かれた人々に寄り添い、共に歩んでいきます」と述べた。ウクライナやガザ、イランなどの現在とそれに関連した世界の状況にも言及。「復活したイエスの平和は、武器のない平和です。なぜなら、イエスの戦いは、武器なしに、歴史的・政治的・社会的状況の中で行われてきたからです」と語った。

 今後の活動の糸口に

 日本カトリック正義と平和協議会(今年3月で終了)で委員と秘書を務めてきた仙台教区信徒の木元範子さんは、教区の「いのち・平和・人権委員会」のアドバイザーとして今回の準備を中心的に担ってきた。木元さんは今回良かったこととして、前日に森山司教が仙台を訪れ、これまで「カトリック正義と平和仙台協議会」の活動を続けてきた人々と顔を合わせて話せたことだったと言う。
 「多くの教区にも『正義と平和』に関する活動をしてきた方たちがいます。今回、全国に先駆けて『日本カトリックいのち・平和・人権委員会』委員長の森山司教様に来ていただき、一人一人が言葉を交わせたことはありがたいことでした」と話す。今後、教区内のさまざまな社会正義の問題に取り組む糸口となればと期待を示した。

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