教皇、中東情勢を深く憂慮 暴力の連鎖断ち切る外交を
【バチカン3月1日ОSV】教皇レオ14世は、「破壊と苦しみと死」をもたらす武器の使用を非難し、中東とイランにおける「劇的な時」に、外交努力へ立ち戻るよう強く訴えた。
教皇は、米国とイスラエルが2月28日の早朝に開始したイランへの最初の攻撃で殺害した同国の指導者たちの中に、最高指導者、セイエド・アリー・ハメネイ師(86)が含まれると判明した約12時間後に、この件について言及した。
教皇レオは3月1日、「お告げの祈り」の後、中東情勢を深く憂慮して見守っていると語り、関係各国は外交での解決を模索するよう呼びかけた。
「安定と平和は相互の脅しや、破壊と苦しみと死の種をまく武力によって築かれるのではなく、理性的で真摯(しんし)で責任ある対話を通してのみ築かれます」
現在も続いている米国とイスラエルによるイランへの攻撃は、首都テヘランと同国内の複数の都市を標的としており、湾岸諸国もイランの報復攻撃に巻き込まれている。
「甚大な悲劇が起こる可能性を前にして、取り返しのつかない事態に陥る前に、暴力の連鎖を食い止める道徳的な責任を取るよう、関係国に対して心から訴えます」と教皇は強調した。
「外交がその役割を取り戻し、正義に基づく平和的共存を切に願う人々の幸福が求められますように」と祈り、世界中に「平和のために祈り続けるよう」呼びかけた。教皇レオが言う「暴力の連鎖」は、3月1日時点でも続いており、相互攻撃が中東各国で刻々と拡大している。
3月1日、イスラエルとイランは新たな攻撃を開始した。BBCによると、イランの国営放送の報道として、テヘランはこの24時間で60回攻撃を受け、57人が死亡したという。
一方、イスラエル側は攻撃開始から24時間で、首都テルアビブの住宅用ビルにイランからのミサイルが着弾し、2人が死亡し、120人が負傷したと、エルサレム・ポスト紙は報じている。
英国のガーディアン紙は、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領の言葉を引用し、イランの最高指導者の殺害は、「ムスリム(イスラム教徒)に対する宣戦布告だ」とし、イランは「この犯罪の加害者と首謀者への流血と報復は、正当な義務であり当然のことで、この重大な責任と義務を、全力で成し遂げる」と報じた。
平和だけが人間の傷を癒やす
さらに教皇レオ14世は、お告げの祈りの後、「パキスタンとアフガニスタンの間でも紛争が発生しているという憂慮すべきニュースも目にしています」と付け加え、「早急に対話を再開するよう」呼びかけた。
「世界のあらゆる紛争において調和が勝利を収めるよう、共に祈りましょう」と祈りを促し、「神からのたまものである平和だけが、人々の間の傷を癒やすことができるのです」と強調した。

