教皇レオ14世、5月25日に初の回勅 AIは道具、人の代わりにはならない

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教皇レオ14世、5月25日に初の回勅 AIは道具、人の代わりにはならない

【ローマ5月14日ОSV】世界が教皇レオ14世の人工知能(AI)に関する初の回勅を心待ちにしている。回勅は5月15日に署名され、25日に発表されることが18日に教皇庁から明らかにされた。教皇就任からこの1年の間に語られたAIについての教皇の発言を振り返る。
 まず、最も直接的で記憶に残る発言は、ある高校生から、宿題に出されたレポートを書いたり、数学の問題を解いたりするのにチャットGPTなどのAIを使用することについて問われた時の言葉だった。教皇は「たとえそれらが明日なくなっても、考えることを忘れないような使い方をしてください」と答えた。
 「AIの利用が、あなたの真の人間的成長を妨げないように気を付けてください」とその生徒に答え、「考えること、想像すること、主体的に行動すること、真の友情を育むこと」を知る重要性を強調した。
 また1万6千人の青年たちに向け、「AIは情報を素早く処理できますが、人間の知能に代わることはできません。真の知恵を授けることはできませんし、とても大切な人間的な要素が欠けています。何が真に正しく、何が間違っているのかの判断ができないのです。驚いてたたずむこと、神の被造物の素晴らしさの前に、本当の意味で感激することもありません」と教皇は語った。
 教皇は雇用市場におけるAIの影響についても、就任当初から関心を示していた。第1次産業革命を背景に、初めて社会問題を扱った回勅『レールム・ノバールム』を発表した教皇レオ13世への敬意も込めて、レオ14世を名乗ったと枢機卿たちに語っていた。
 「教会は、人間の尊厳、正義、労働を守るために、新たな課題を投げかける現代の産業革命とAI分野での発展に対し、教会の社会教説という知恵の宝庫を全ての人に届けたい」と就任2日目に述べていた。
 2025年の聖年の祝祭で、バチカンに68カ国からの議員が集った時には、「AIは人間の幸福のための道具として機能すべきで、人間の雇用を奪って、人間に置き換わるべきではないことを忘れないでください。人間のアイデンティティーや尊厳、そして基本的な自由を損なわせないという条件の下でのAIの利用は、社会にとって大きな助けとなるでしょう」と述べている。
 昨年12月にバチカンで開かれたAIに関する会議では、「AIの発展が真の共通善となり、単に一握りの人に富と権力をもたらすものとならないことを確実にするにはどうしたらよいのでしょうか?これは喫緊の課題です。なぜならAIはすでに、日々、世界のいたるところで何百万人という人々の生活に影響を与えているからです」と訴えた。
 また教皇は第60回世界広報の日のメッセージでも、自身の考えを展開した。AIに特化した同メッセ―ジのタイトルを「人間の声と顔を守る」とし、「顔と声は神聖なものです。それはわたしたちに神から与えられたものです」と記している。

 教皇自身もディープフェイクの対象に

 さらに教皇は、AIによって生成される動画、画像、音声、いわゆるディープフェイクとその偽情報を信じ込ませる機能にも、自らの体験を通して言及した。
 教皇就任当初、ある人物から階段から落ちたようだが大丈夫かと尋ねられたという。「落ちていない」と答えたことを思い起こし、「誰かが人工的につくりだした教皇が階段から落ちる動画が出回っていて、その動画の出来がとても良かったので、私だと信じ込んだようです」と語った。またある時は、AI版の教皇を作成し、ウェブにアクセスしてきた人が、デジタル空間で教皇に謁見するアイディアを提案されたことも明かし、「それは承認できないと断りました。デジタル空間でのキャラクターにされるべきでない人がいるとしたら、教皇はその中の上位に位置するといえます」

2025年11月21日、米国中西部のインディアナポリスで開催された全米カトリック青年会議にバチカンからライブ配信で参加し、1万6000人の青年たちにあいさつする教皇レオ14世 (CNS photo/Vatican Media)

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