2025年、死刑執行件数世界で最多 アムネスティ報告書 イラン主要因に
5月17日に発表されたアムネスティ・インターナショナルの「2025年死刑判決と死刑執行数」と題された報告書によると、2025年は全世界での死刑執行数が過去44年で最多を記録したという。
アムネスティによると、2025年には17カ国で2707件の死刑が執行され、1981年以来最多を記録した。しかし、この数には何千という死刑を執行したとされる中国の件数が含まれていないと注意を促し、そのため中国は今でも死刑執行数最多国となっているとアムネスティは付け加えている。
アムネスティ・インターナショナルのアニェス・カラマール事務総長は声明の中で、「死刑執行のこの憂慮すべき急増は、死刑廃止へと向かっている世界の流れにもかかわらず、何が何でも死刑を執行したいと考えるわずかな孤立したグループの国々があるためです。中国からイラン、北朝鮮、サウジアラビア、イエメン、クウェート、シンガポール、米国まで、この恥を知らない少数の国々が、恐怖を植え付け、反対意見を押し込め、恵まれない人や周縁に追いやられた共同体に対して、国家機関が持つ力を見せつけるために、死刑制度を武器として利用しているのです」と語る。
中国を除いて、この報告書は、急増の主な原因はイラン当局にあるとし、少なくとも2159人がイランで処刑され、この数は2024年の2倍以上に当たると見積もる。サウジアラビアでは少なくとも356人が、クウェートとシンガポールではそれぞれ17人が、エジプトでは23人が、米国では47人が死刑を執行された。この報告書によると、世界中で報告されている死刑執行の46%は、薬物・麻薬関連の犯罪だった。
「死刑執行を認める国々は、世界の他の国々と歩調を合わせ、この忌まわしい慣行を過去のものとする時です。死刑制度によって私たちがより安全になることはありません。むしろそれは、国際人権法を無視し恐怖で押さえ付ける、人類に対する取り返しのつかない侮辱を意味します」と事務局長は続ける。
アムネスティ・インターナショナルは、ロンドンに拠点を置く、国際人権NGO。
教皇、動画で死刑廃止のメッセージ
教皇レオ14世は、生まれ故郷のイリノイ州で死刑が廃止されて15年を迎えるに当たりビデオメッセージを4月24日に公開した。
教皇はビデオメッセージの中で「カトリック教会は人間のいのちは受精の瞬間から自然死に至るまで神聖なもので、守られねばならないと一貫して教えてきました。事実、生存権は、その他全ての人権のまさに基礎となるものです。この理由から、社会は人のいのちの神聖さを守ってこそ、栄え、反映していくのです」と語っている。
カトリック教会の教導職は、死刑制度に反対している。人間のいのちに本来備わる神聖さと死刑制度は相いれないと考えるため、世界中の死刑廃止を訴えている。

