【ローマ5月11日OSV】同性婚への祝福を巡る教皇庁(バチカン)とドイツの司教団との協議は継続中で、制裁措置を考慮するには時期尚早だ、とバチカンの国務省長官、ピエトロ・パロリン枢機卿は5月6日、ローマで記者団に語った。
ドイツの司教団によって作成された同性カップルへの祝福についての手引書を現在でも推奨しているドイツの司教団に対して、バチカンは制裁措置を取るかと問われた際に答えた。
「この点について、協議しています。(制裁措置について)言及するのは時期尚早です。教皇様の判断によります。けれども、すでに対話を始めています。解決策を見いだせると信じています」。イタリアの通信社ANSA(アンサ)が報じた。
パロリン枢機卿の発言の2日前の5月4日、この件に関してバチカンは2024年11月18日付で、教理省長官のビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿が署名した書簡をドイツの司教協議会会長でトリーア教区のステファン・アカマン司教に宛てて送付していたことを公表した。
この書簡は、ドイツの司教団が出した、同性同士を含む、結婚の秘跡を受けていないカップルに対する正式な祝福についての指針案に答えたもの。
書簡の中で、フェルナンデス枢機卿は、教会は「結婚を主張するカップルや、あるいは婚姻外の性的関係を持つと考えられるカップルに、ある意味で倫理的正当性を与えてしまう可能性がある場合、典礼に基づく祝福を授ける権限はない」と念を押した。
さらに枢機卿は、ドイツの「手引書」の本文では、結婚関係にないが互いに愛し合うカップルについて、司祭による「公式な承認」と「結び付き」が言及されており、それらが「本来は結婚の儀式にのみ行われるべき『祝福』の対象となっている」と懸念を表した。「この意味で、同文書は『同性カップルに対する祝福に言及した教理省の宣言「祝福の司牧的意味について」(フィドゥチァ・スプリカンス)』の記述とは対照的に、こうしたカップルの関係を事実上、正当化している」からだ。
『祝福の司牧的意味について(フィドゥチァ・スプリカンス)』によって、カトリック司祭が同性カップルや変則的な関係のカップルを祝福できるようになったが、それは正式な典礼に基づく祝福とはなり得ず、教会がまるで結婚のようにそのカップルを祝福しているという印象を与えてもならない。
しかし、2024年のフェルナンデス枢機卿の書簡にもかかわらず、ドイツの司教団は前述の手引書に続いて2025年の4月に『祝福は愛に力を与える』と題された冊子を発行した。
さらに、ドイツのカトリック系週刊誌『ターゲスポスト』が、ミュンヘン教区のラインハルト・マルクス枢機卿が同冊子の内容を実施するよう司祭や司牧担当者に促した手紙を入手した。
その報道によると、枢機卿はその冊子を「司牧ケアの基礎」にしたいと述べたという。
マルクス枢機卿は「その祝福は結婚の秘跡の祝福とは異なる」としたが、「だからといって、すでに民事婚において多く行われているそのような祝福が、受けたカップルを共同体や教会の周縁に追いやることを意味するわけではない」とも述べた。
その冊子はドイツの司教団と信徒の共同で草案され、同国の司教協議会の常任司教委員会で承認された。
キリストと教えを基に一致見いだす
教皇レオ14世がアフリカへの訪問を終え、ローマへ帰国する機中記者会見が開かれた先月23日、その前日の22日に、ミュンヘン教区が同性婚カップルへの祝福を正式に認めたことに対し、ドイツの記者が教皇に教会の一致をどう保っていくのかと質問し、この問題が再び注目を集めた。
教皇は「教会の一致や分裂は性や結婚の問題を中心に起こるわけではありません」と強調する一方で、バチカンはドイツの司教団に「バチカンはカップル――今回の場合は同性のカップルでしたが――、あるいは変則的な状況のカップルに、正式な祝福を授けることには同意できません。教皇フランシスコが、全ての人は祝福を受けられると語った際に具体的に示されたこと以外については同意できません」と記者団に述べた。
前教皇フランシスコが承認した祝福を、「ミサの終わりに」全ての人に与えられる祝福に例えて、教皇は「全ての人はそれぞれの生活の中で、回心するよう招かれています」と語った。
「それを越えてしまうと、この問題は一致よりも分裂を招く可能性が出てくると思います。イエス・キリストとその教えを基に、私たちの一致を築き上げる方法を見いだすべきです」

