教皇レオ14世、教皇に就任して1年 平和と対話と和解、一貫した姿勢貫く

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教皇レオ14世、教皇に就任して1年 平和と対話と和解、一貫した姿勢貫く

【バチカン5月8日CNS】聖ペトロ大聖堂の中央バルコニーに立ち「あなたがたに平和があるように」と世界にあいさつして、教皇に就任してから1年。以来、教皇レオ14世は二分化した教会と分断された世界を、対話と平和と人間の尊厳の尊重を求める熱の込もったスピーチを通して、導いてきた。
 就任後の1年、世界は明らかに緊張感が高まり、教会内での分裂も続いた。だが多くの枢機卿たちは、前教皇フランシスコの壮大なビジョンを継承できるのは、プレボスト枢機卿(後の教皇レオ14世)しかいないと信じて、コンクラーベ(教皇選挙)で選出した。
 またバチカンの外でも、米国のトランプ政権は、初めての米国出身の教皇を犯罪に「弱腰」だとしばしば非難し、教皇の度重なる「神はいかなる紛争も祝福しない」という戦争と核軍拡に対する警告を無視し続けた。
 それでもなお教皇レオ14世は、一貫した態度や発言を貫き、繰り返し平和と対話と和解を訴え、それが自身の教皇職の特徴となった。
 この1年の間に、教皇レオ14世は、交わりと傾聴というアウグスチノ会の理念に深く根ざした教皇としての姿を鮮明にしている。イデオロギーと地政学的な分裂を、対立によってではなく、傾聴と対話によって乗り越えようとしている。前教皇フランシスコよりも口調は控えめだが、戦争、移住者、経済的搾取、人間の尊厳といった問題に対して、ますます直接的に語るようになった。
 「ある意味で、ロバート・プレボストは今もロバート・プレボストのままです」と語るのは、同じアウグスチノ会員で、教皇の長年の友人でもあるアーサー・プカーロ神父。「教皇職に就いてからも、彼は成長しています」
 「枢機卿たちはプレボスト枢機卿に投票しました。それは彼なら、前教皇フランシスコの確約を果たし、また異なる方法で実現してくれるだろうと思ったからです」と神父は続ける。

 命令よりもニュアンス、過程自体が目標

 1年目のほとんどは、2025年の聖年やトルコとレバノンへの訪問など、前教皇フランシスコから引き継いだ予定をこなしてきた。しかし聖年が閉幕すると、教皇は独自のビジョンに基づいて教会をより決定的に導き始め、前教皇との違いはこの1年でますます鮮明になってきた。
 これまでのところ、教皇は教会にとっての優先順位を、正義と人間の尊厳と平和に置く。正義と愛を重視する姿勢が、教皇レオ14世の世界情勢に対する発言力をますます強めている。
 特に先月の11日間にわたるアフリカ訪問の際に、戦争、汚職、独裁主義、経済搾取を非難して、教皇は今のところ就任以来最も力強いメッセージを発した。これをプカーロ神父は、実質的な「教皇レオ14世の教皇職の始まり」だと呼んだ。
コンクラーベにも参加した米国ワシントン教区のロバート・ウォルター・マケルロイ枢機卿は、教皇は時を重ねる中で、世界を舞台に倫理的発言をすることに、徐々に慣れてきたと語る。「現代において世界には、教皇レオ14世の言葉以外に、預言的な倫理的指針がありません」
そのように見られても教皇に近い人々は、教皇の指導力がより好戦的になったり、イデオロギー的になったりすることはあり得ないと語る。プカーロ神父は、教皇は命令よりもニュアンス(表現などの微妙な違い)を重んじ、対話自体を教会の使命の一部だと見ていると述べる。
 「ですから人々が教皇から、何をすべきか最終的な言葉を聞きたいと思っても、それは存在しないものを探していることと同じです。過程こそが目標なのです。つまり互いに耳を傾け合い、尊重し合い、全ての人が何かを差し出すことができると認識することが重要なのです」と神父は語った。
 教皇庁でも、世界においても、教皇から明確な指示や命令を期待すべきではない、と神父は続けた。なぜなら、教皇はそのような人ではないからだ。教皇は繊細なニュアンスをもって、そしてアウグスチノ会の指針を示して導くスタイルを好む。
「教皇は少しずつ人々の心をつかむか、人々の成長を呼び起こす人です。聖霊の助けを受け、教皇がどのように現代の要求に応える教会を形作っていくのかを判断するにはまだ時間が必要だと思います」と神父は最後に述べた。

2025年5月11日、教皇に就任して初めて「アレルヤの祈り」を唱えるため、バチカンの聖ペトロ大聖堂の中央バルコニーから人々に手を振る教皇レオ14世。3日前の5月8日に教皇に選出された直後の就任のあいさつの冒頭で、「あなたがたに平和があるように」(ヨハネ20・19)と語りかけた (CNS photo/Lola Gomez)
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