今こそ「平和を実現する人」として 社会司教委員会委員長 声明を発表
日本カトリック司教協議会・社会司教委員会委員長の森山信三司教(大分教区)は4月30日、戦争が続く世界の現状に向けた声明を発表し、キリスト者は今こそ暴力に反対し、「平和を実現する人」として生きなければならないと訴えた。
声明のタイトルは「あなたがたすべてに平和があるように」。これは教皇レオ14世が教皇に就任した際のあいさつで、冒頭に引用したキリストの言葉につながる。
声明はまず、中東全土に戦火が広がりつつあった受難の主日(枝の主日)のミサで教皇が語った言葉を紹介する。教皇は、神は戦争を拒絶し、戦争の正当化にイエスを利用することはゆるされないと明確に述べていた。
この教皇の言葉に共鳴した米国司教団の教理委員長は、この発言は「キリストの代理者としての福音に基づいた発言」だと述べている。
声明はまた、教皇が今年4月のアフリカ訪問時に「一握りの暴君」によって世界が荒廃させられていると述べたことに触れ、国際秩序の崩壊と分断の進行を憂慮。同時に、エネルギー価格の高騰や各地の紛争が、とりわけ貧しい人々に深刻な影響を与えている現実を指摘した。
日本国内についても、武器輸出制限の緩和や戦後最大規模の防衛力強化に言及し、戦後80年にわたり維持されてきた平和主義が転換することに懸念を表明。この国で起こっていることを自分の問題として捉え、祈り行動するよう呼びかけている。
さらに前教皇フランシスコの言葉から、「戦争は、政治の失敗、人間性の欠如であり、悪しき勢力に対する恥ずべき降伏、敗北なのです。理屈をこねるのはやめて、傷に触れ、犠牲者のからだに触れようではありませんか」を引用。犠牲者の苦しみに目を向けることの重要性を強調した。
声明はカトリック信者に、今こそ暴力に反対し、一貫して平和を叫び続けている教皇レオ14世の活動を、全世界の人々と一つになって祈りで支えるよう促す。さらに戦争犠牲者と連帯し、支援し、祈るよう呼びかけている。全文はカトリック中央協議会ウェブサイトで読める。
