福岡教区 平和を祈る集い 「武力によらない平和を目指して」

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福岡教区 平和を祈る集い 「武力によらない平和を目指して」

 福岡教区(ヨゼフ・アベイヤ司教)は、今年の「日本カトリック平和旬間」賛同企画として8月11日、平和を祈る集いを、福岡カテドラル大名町教会(福岡市)で開いた。テーマは「平和の時 武力によらない平和を目指して」で、300人以上が参加した。
 同教区では、各小教区に呼びかけ、平和旬間にちなんだ短歌や俳句、川柳、絵画などを募集。届いた作品をこの日、カテドラル内で展示した。

 午後には憲法学者のみなみしげる氏(九州大学教授)を講師に招き、教会と平和、憲法と平和について講演を聞いたほか、同時平行で、小中高生を対象としたプログラム「平和ってなんだろう? ~紛争地の子どもの声を通して考える」も開催。その後、アベイヤ司教主司式によるインターナショナルミサをささげ、多国籍の信者が集って平和を祈った。

 反戦、反軍拡は、教会の教えと一致

 講演会では、司会を務めた信徒の青木あつたかさん(福岡教区「いのち・平和・人権委員会」)の呼びかけで、まず同教区内の熊本で7月28日に起きた地震の被災者のために祈りをささげた。
 開会あいさつに立った同委員会委員長の井手公平神父(福岡教区)は、平和を実現するために、一人一人が日々の生活の中で役割を担い、平和をもたらす人へと変えられていくことを願うと述べた。

 講演では、同教区信徒でもある南野氏が、「教会と平和、憲法と平和 ―― 60年、80年、そして100年」をテーマに話した。
 南野氏は、第2バチカン公会議(1962~65年)以降のカトリック教会の平和についての考えが、日本国憲法の理念と「驚くほど一致している」ことを示し、信者は、軍拡や戦争に反対する意志を、自信を持って社会に発信してほしいと訴えた。
 根拠として南野氏は、第2バチカン公会議の『現代世界憲章』や、教会の公式の教えを記した『カトリック教会のカテキズム』の条項を具体的に提示。教会は、平和が「独裁的な支配から生じるものでなく、正義がつくりだすもの」と定義していることや、軍拡競争が「戦争の危険を増大させる」と警告していることを紹介した。
 カトリック教会の教えと日本国憲法は、どちらも「武力によらない平和」、「戦争の絶対禁止」を目指していることを踏まえつつ、自衛のための実力行使を、厳しい条件のもとで限定的に認めていることも指摘。そして軍拡競争に終止符を打つために、全ての人が身をていして努力するよう、教会が求めていることも明らかにした。

日本国憲法については、「米国の押しつけ」とする主張に具体的に反論し、現在ではその正当性を疑う余地がないと話した。

また憲法改正の動きについて、第9条2項の「戦力不保持」が焦点になることを説明した。この2項を削除、または自衛隊を憲法に明記しようとする動きについて、それが実現した場合、軍備拡張に反対するための「憲法上の歯止め」はなくなる危険性を指摘。どのような意見を持つことも自由だが、憲法を改正した時、その結果としてどうなるかは知っておく必要があると説いた。
 南野氏はまた、『現代世界憲章』に「諸国の統治者は、大衆の世論と意識に依存している」と書かれていることに触れ、誰でも議員に意見を伝えることができると説明。また人と話すことで、人の意識に影響を与えることができるとも話し、一人一人の持ち場で(平和の実現のために)できることがある、と参加者を励ました。

講演するみなみしげる教授

 戦争の痛みを感じ 平和のために働く

 その後行われたインターナショナルミサで、説教に立ったアベイヤ司教は、武器や軍拡を正当化する声が強まる一方で、戦争に苦しむ人や平和のために働く人々の声はかき消されていると憂慮。読まれた福音「山上の説教」のイエスの言葉について、こう話した。
 「戦争やあらゆる形の暴力がもたらす不幸を見て、痛みを感じて、迫害されようとも平和のために働く人は幸いです」。そしてイエスは、「その中にこそあなたたちの求めている幸せがあると語っている」と強調した。
 続けて教皇レオ14世による今年の「世界平和の日」(1月1日)メッセージのテーマ「武器のない平和」にも言及し、次の言葉を引用した。「復活したイエスの平和は、武器のない平和です。なぜなら、イエスの戦いは、武器なしに、歴史的・政治的・社会的状況の中で行われたからです」
 さらに戦争を始めるのは人間であり、その戦争を神に止めてほしいと願うのは無責任だとも指摘。具体的に、責任を持って、平和のために働くことの重要性も語った。「命と全ての人々の尊厳を大事にする、市民としての責任を果たすことは、私たちの信仰の要求でもあると思います」 ミサでは、聖書朗読や共同祈願などがベトナム語や英語などで行われ、奉納は子どもたちによって行われた。

インターナショナルミサでの、子どもたちによる奉納

※写真は、福岡教区ウェブサイトの動画から。インターナショナルミサは、教区ウェブサイトから視聴できる。

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