キリスト者として平和憲法を考える 超教派で初の「憲法フェス」開催
「キリスト者憲法フェスティバル2026」が5月2日、東京・目黒区の恵泉バプテスト教会で開かれ、キリスト者として平和憲法を考えようとする6人によるリレートークが行われた。約130人が参加してトークに耳を傾け、共に歌い、平和を祈った。
この催しは10年以上前から日本バプテスト連盟が続けてきたが、改憲論議が活発化する今年、初めて教派を超えた発題者を招いて行われた。主催は、日本バプテスト連盟東京・神奈川・北関東社会委員会。協賛としてカトリックも参加するキリスト者平和ネットや日本YWCAなどが名を連ねた。
リレートークを担当した6人は、それぞれ平和に関する活動を続けてきた立場から、平和と憲法について語った。
その一人、弘田しずえ修道女(ベリス・メルセス宣教修道女会)は、長く「日本カトリック正義と平和協議会」の活動に携わってきた。「憲法9条は、国の在り方として非暴力を生きるということ」と述べ、福音書に描かれたイエスの姿に目を向けた。イエスが、自身を殺そうとする人々に対して「立ち向かうのでもなく逃げるのでもなく、『彼らのまん中を通り抜けて、去って行かれた』(ルカ4・20)」ことに言及。「私たちもそのように自分の行くべき道を歩いていけるでしょうか」と参加者に問いかけた。またイエスの非暴力は受け身でなく「創造的」だったと述べ、「イエスの力は、平和と和解を可能にする」と強調した。
日本聖公会憲法プロジェクト長の西原美香子さんは、キリスト者として憲法を考えるため2023年に「いのちをみつめる祈りの集い」を始めた。ここでは戦争体験者や平和を築く活動している人を定期的に招き、話を聞く試みを続けている。西原さんは、かつて韓国人と在日コリアン、日本人の子どもたちによる「子ども平和会議」を開いた体験も持つ。戦争体験者から平和の意味を学び、それを次の世代に確かに手渡すことの重要性を、体験を通して語った。
在日大韓基督教会の金迅野(きむ・しんや)牧師は、日本国憲法の素晴らしさを認めた上で、その課題にも言及した。日本国憲法が施行される前日、つまり象徴天皇制となる前の天皇による最後の勅令によって、旧植民地である朝鮮半島や台湾出身の人々を「外国人とみなす」と規定されたことを指摘。日本国憲法にある「すべて国民は」の「すべて」から切り離された存在があることを提示した。また「人権」という概念は、「全て人は神によって創られた」というキリスト教的な根拠に基づくことにも触れ、キリスト者として、今ある憲法をより豊かに育て、補完することはできないかと問いを投げかけた。
沖縄出身の平良愛香(たいら・あいか)牧師(日本基督教団)は、太平洋戦争の時、日本軍の駐留を辞退したことで米軍の攻撃を免れ、一人の戦死者も出さなかった沖縄の離島「前島」があったことを紹介。攻撃されるのは基地のある場所だと指摘すると同時に、基地があることで日本が加害者となる可能性も負うことに言及した。
参加者からは、自らの問題として憲法を捉え直す声が聞かれた。沖縄に移住した経験のある佐竹樂太朗(らくたろう)さん(26)は、「自分たち若者が平和について行動していかなければという思いを新たにした」と語った。都外から参加した吉高路(みち)さん(64)は、「『すべて国民は』という言葉が誰を指すのかを考えさせられた。教会で分かち合いたい」と話していた。

