イスラエル、聖地使用を許可 世界各国からの非難を受けて

【エルサレム3月30日ОSV】ラテン典礼エルサレム総大司教座は、イスラエル当局と、聖週間と復活祭のミサを聖墳墓教会で執り行うことに関して合意に至ったと発表した。当初、受難の主日(枝の主日)の一連の儀式を行うことは禁止されていた。
 3月30日に発表された声明の中で、同総大司教座は、「聖墳墓教会で典礼や儀式を執り行い、古くからの復活祭の伝統を守るために、教会関係者の立ち入りが確実に保障されました」とした。
 「当然ながら、戦争の現状を踏まえ、当面の間、公の集会に対する制限は依然として課されています。そのため、教会は典礼や祈りを、聖地と全世界の信者に向けてライブ中継致します」と声明は続ける。
 この合意は、イスラエル警察が3月29日、同総大司教座のピエルバッティスタ・ピッツァバッラ枢機卿とフランシスコ会聖地管理特別管区長、フランチェスコ・イェルポ神父の聖墳墓教会への立ち入りを禁止したことが世界中に知れ渡り、各国の宗教指導者、政治指導者らから非難が殺到したことを受けて、交わされた。
 非難は、パレスチナ政府、イタリア外相、駐イスラエル米国大使、エマニュエル・マクロン仏大統領、スペイン首相、EUの外務・安全保障政策上級代表、ポーランド大統領、ハンガリー首相などから、信教の自由の侵害や、聖地管理のために長年守られてきた現状維持合意の違反だとして、SNSを通じて続々と寄せられていた。
 その数時間後、イスラエルのベニヤミン・ネタニヤフ首相は、自身のX(旧ツイッター)で、当局にピッツァバッラ枢機卿の聖墳墓教会の利用を即時に許可するよう指示した。

 控えめな復活祭を祝う

 この一連の流れを受け、ラテン典礼エルサレム総大司教座は3月30日、イスラエルの対応と「世界各国の指導者や高官の皆さんが、迅速に立場を表明し、その多くの方々が寄り添いや支持を寄せてくださったことに感謝致します」と謝意を表した。
 ピッツァバッラ枢機卿もこの一件の収束を見据え、イタリアの司教協議会が所有するテレビチャンネル、TV2000のインタビューに応じ、この一件は「誤解」から生じたと語った。
 「衝突などはありませんでした。全てがとても礼儀正しく行われました。力づくで押し通すことはしたくありません。ただ、この状況をきっかけに、今後数日間に何ができるのかを明確にしたかったのです。もちろん、全ての人の安全と祈る権利を尊重しながらです」
 枢機卿は加えて、枝の主日の一件は重要な意味を持ち、「より広い文脈」で考えられなければならないと述べた。
 「私たちよりもさらに困難な状況に置かれている人々がいます。さまざまな理由によってミサにあずかれない人がおられるのです。ですから、もう一度控えめな復活祭を祝うことになります」

3月29日、米国とイスラエルによるイラン攻撃のため、大人数での集会に規制が課されるさなか、エルサレムのオリーブ山から始まる伝統的な枝の行列が中止に追い込まれた後、受難の主日(枝の主日)を記念するミサを司式する、ラテン典礼エルサレム総大司教のピエルバッティスタ・ピッツァバッラ枢機卿 (OSV News photo/Ammar Awad, pool via Reuters)
  • URLをコピーしました!
目次