フランス滞在最後のミサ、メッス大聖堂で 教皇、「欧州は分裂を脱し和解を選ぶべき」

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フランス滞在最後のミサ、メッス大聖堂で 教皇、「欧州は分裂を脱し和解を選ぶべき」

【メッス(フランス)9月28日OSV】戦争と分裂に特徴付けられたこの地域の記憶を思い起こさせ、教皇レオ14世は人類に、復ふく讐しゅうや報復の連鎖を絶ち、和解と平和への道を探るよう訴えた。
 フランスのメッスにある聖ステファノ大聖堂でミサを司式し、教皇は「誰かがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」(マタイ5・39)というイエスの呼びかけは、一部の人にとっては「弱さの表れ、あるいは悪への譲歩」と見られるかもしれないが「そうではない」と強調した。
 「過去にきょうだい国といえる国同士の戦いによって引き裂かれた、ここメッスで育った子どもたちである皆さんなら、復讐をする人が、ゆるす人よりも強いことが真実ではないとよく分かっておられるでしょう」と教皇は9月28日、ミサの説教で語った。
 「譲歩を拒む人が、和解を探る人よりも強いことは正しくありませんし、遠ざかる人が共に歩む難しさに立ち向かう人よりも強いことも正しくありません」
 このミサは、予定がぎっしり詰まった4日間にわたるフランス訪問を締めくくるものとなり、戦争と紛争の脅威が欧州で大きくなる中、同大陸の平和と一致に注力した一日が終わった。

 平和には人間の貢献も必要

 さらに説教の中で教皇は、この日の第1朗読(イザヤ32・15―18参照)で、預言者イザヤが神の国の到来を告げる箇所を思い起こした。
 イザヤが用いた比喩、例えば「荒れ野」、「園」、「すみか」を取り上げ、荒れ野は正義がが築かれる場で、「節制と沈黙の場」を表し、園は正義が支配する場で、「主のご計画を自由に守ることで、完全に」人が花開くことができる場を意味するという。
荒れ野も園も神の働きによる一方で、「すみかを建てることは人間のより直接的で、大きな貢献が必要になります」と教皇は解説する。
 「同様に神からのたまものである平和も、一致した取り組みを通した人間からの応答も必要となります。結局のところ、すみかは単なる石の構造物以上のものです。そこは人間が存在し、愛のある場所となります」

 欧州の未来は違いの調和の中にある

 戦争と紛争の中心となったこの地域の歴史を振り返り、教皇は、メッスとこの地域一帯は全世界に、「人が、復讐の連鎖を断ち切る勇気を持つ時にだけ、和解は実現するということを証し」していると述べた。
 「悪に圧倒されないためには、力と誠実さが必要になります。特にその傷が深いほどそうです」「けれども不正義に直面する中、人類の救いへの唯一の道は愛です。受け入れがたいほど困難な態度に対たい峙じしたときでさえ、置かれた状況にかかわらず、他者をいたわり、信頼しようとする愛なのです」
 教皇は、メッスのカトリック信者に、それぞれの地元の教会は「市民社会と信仰の間の実り豊かな対話という独自の遺産」を受け継いでおり、有名なユダヤ人芸術家のマルク・シャガールの作品も含まれているメッス大聖堂の大きなステンドグラスの窓は、「エキュメニズムと諸宗教対話の特別な象徴となっています」と指摘した。
 「この大聖堂は私たちに、神の光は私たちそれぞれのアイデンティティーを消さず、むしろ異なる歴史や文化をまとめて一つの素晴らしい平和のモザイクをつくり上げていると教えてくれます。それは、新たな分裂や紛争によって引き裂かれている現代においてとても必要なことです」と教皇は語る。
 「これらのステンドグラスを仰ぎ見ながら、私たちは欧州の未来は画一性の中にあるのではなく、違いの調和の中にあることを学びます。こうして、過去の傷は開かれたものとなり、そこを通って光は輝き出すのです」

4日間にわたるフランス訪問の最終日の9月28日、フランスのメッス大聖堂でミサを司式する教皇レオ14世 (OSV News photo/Remo Casilli, Reuters)
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