カナダでユダヤ教礼拝所に銃撃 カトリック教会が寄り添い示す
【ベルビル(カナダ)9月23日OSV】ユダヤ教で最も神聖な日とされるヨム・キプル(罪のあがないの日)に、カナダのオンタリオ州東部にあるシナゴーグが、銃を持った男の襲撃を受けた。
9月20日の夜、警察官はオンタリオ州ベルビルにある「ヤコブの息子たち」シナゴーグに集まった会衆のため、シナゴーグの外を警備していた最中に、銃撃を受けて傷を負った。9月23日の時点ではまだ病院に収容されている。
発砲した犯人は、後にベルビル警察によって、オンタリオ州南部のクインテウエストに住むシーン・ワード(29)と特定された。犯人は警官のスミス氏に対し、散弾銃を発砲したとされる。スミス氏も銃で応戦した結果、犯人はいのちに関わる傷を負い、病院に搬送され、後に死亡した。
複数の銃弾が、シナゴーグの窓を貫通したが、集まった会衆は皆無事で、犯人は建物の中へは侵入できなかった。
ベルビル警察は9月21日の記者会見で、犯人と警察官の身元を明らかにした。警官のスミス氏は、2013年からベルビル警察で勤務し、現在はベルビルの総合病院で集中治療室におり、状態は重篤ではあるが安定しているという。
この事件の翌日、トロント教区でエキュメニズムと諸宗教間関係の問題を統括するルイス・メロ神父は、トロントを拠点とするカナダ国内のカトリック系新聞「カトリック・レジスター」にコメントを寄せた。
「ユダヤ暦で最も神聖なヨム・キブルの日に、『ヤコブの息子たち』シナゴーグで起きた事件を受けて、私たちはユダヤ教徒の兄弟姉妹たちと連帯しています。ユダヤ教共同体と、特に今回の銃撃に遭遇した方々のために祈ります。全ての人々には、安全に、そして平和に礼拝する自由がなければなりません」
反ユダヤ主義のヘイトクライムが急増
ベルビル警察と、オンタリオの特別捜査隊の報道官によると、けがを負った警察官は、シナゴーグ内で礼拝が始まった時にはすでに外で警備をしていた。このような警備は、州全体のシナゴーグで取られている措置だという。
トロント警察は、9月は11日から13日まで、ユダヤ教の新年に当たるロシュ・ハシャナ(ユダヤ暦の新年)があり、20日と21日にヨム・キプルを迎えるため、警官の配備を強化していたと発表した。
さらにこの判断は、トロントやその他の地域で、ユダヤ教徒の共同体を標的とした憎悪による事件が深刻な増加を示している事態を受けてのことだとした。2023年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃して以来、トロント警察は、ユダヤ教共同体に対するデモや抗議、憎悪による攻撃に関して、573人を逮捕し、1398件の起訴があったことも明らかにした。
トロント以外のいくつかの警察管区でも、同様に警官の配備を強化している。
カナダのカーニー首相は、ベルビルでの銃撃事件を非難する声明を、自身のX(旧ツイッター)に投稿した。
「ユダヤ教徒たちは、安全に礼拝を行うことができなければなりませんし、自由に、隠れることなく、ユダヤ教徒としての生活を誇れる環境でなければなりません。カナダ政府は、法律の及ぶ限り、犯人に説明責任を確実に果たさせ、警察を支援するために、でき得る限りのことを行います。けがを負った警官とそのご家族、またユダヤ教徒の全共同体と心を共に致します」

