日本カトリックいのち・平和・人権委員会(委員長=森山信三司教)は、8月21日に大阪拘置所で高見素直さん(58)に死刑が執行されたことを受け、26日、内閣総理大臣と法務大臣に宛てた抗議声明を発表した。
声明は、全てのいのちの尊厳と人権を守る立場から、死刑制度そのものに反対し、今回の執行に強く抗議している。
犯罪者であっても「生きるという、神からのたまものである不可侵の権利」があるとする前教皇フランシスコの言葉や、『カトリック教会のカテキズム』に書かれている「死刑は許容できません」との教えを紹介。また死刑反対はキリスト教固有の主張ではなく、「いのち・平和・人権」という人類にとって普遍的な価値に基づくものだと訴えた。
さらに世界の多くの国で死刑は「過去のもの」となっており、今年8月11日には中東地域の国として初めて、レバノンが死刑を正式に廃止したと指摘。
戦争や自然災害が相次ぐ中で、日本政府が繰り返す「国民の声明と財産を守る」という言葉の意味と重みを改めてかみしめる必要性に言及した。
高見さんは2009年、大阪市のパチンコ店に放火し、5人を死亡させ、10人に重軽傷を負わせた。その犯行について声明は、「たとえ彼のいのちを差し出したとしても到底贖(あがな)うことのできない大きな罪」だとし、本人自身が「罪の重さに気づき、生涯をかけてその責任を」負わなければならないと指摘。政府は本人から、その回心と更生の機会も、また遺族に償い、負わせた心の傷に深く報いる機会をも奪ったと述べた。
声明は最後に改めて犠牲者を追悼し、被害者と遺族の癒やしを祈り、政府に死刑制度の見直しと廃止への取り組みを求めている。
★声明の全文はこちら(https://www.cbcj.catholic.jp/2026/08/26/39713/)
