教皇、「対話と建設的努力で平和を」 欧州の紛争、再軍備は答えではない

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教皇、「対話と建設的努力で平和を」 欧州の紛争、再軍備は答えではない

【メッス(フランス)9月28日OSV】教皇レオ14世は9月28日、欧州の指導者たちは勇気をもって友好的な対話を選択するよう、また軍備増強こそが欧州を脅かしている紛争への答えだという錯覚を抱かないよう求めた。
 フランス北東部のドイツと国境を接する都市メッスで開催された「平和と一致のための欧州のルーツに立ち返る」と題された会議でのスピーチで、ロベール・シューマン会議センターに集まった宗教指導者と行政指導者たちに向けて、教皇は欧州で戦争と紛争が再び勃発している現実について語った。この会議にはフランスのマクロン大統領も出席した。
 「現在は悲しいことに、戦争が欧州にまで戻ってきてしまいました。これは日々数えきれないほどの市民のいのちを奪う新たな『無益な虐殺』です」「私たちは忍耐強く対話を固持し、交渉において勇気を示し、平和というより素晴らしい善のために、立場や姿勢を脇に置く意思を表す必要があります」
 教皇は、欧州を脅かす紛争について取り上げ、欧州と世界に、平和を求めることと「浅はかな平和主義とを混同してはならない」という認識を示した。
 1950年にフランスの政治家ロベール・シューマンが提唱し、欧州連合の基礎を築いたとされるシューマン宣言を引用して、教皇は、「世界平和を脅かす危険に立ち向かうための建設的な努力が払われないなら、世界平和は守られないだろう」と述べた。
 「私たちは、再軍備こそが答えだという幻想に警戒しなければなりません」と教皇は付け加える。
 軍備費の増額を求める世界の流れにも言及し、教皇は平和を推進することは能動的な取り組みであり、指導者たちは、その目的のために真の努力をしているか、あるいは「『戦争の流れを食い止め』て、単に次に起こり得る戦争に備えているだけなのかどうか」を自問しなければならない、と訴えた。
 さらに、多国間外交と国際法は「あらゆる紛争の根底にある占領したいという欲求」への「解毒剤」になると強調した。
 教皇は、「徐々に野蛮化する」国家間の関係を嘆く。そこでは「約束を守る価値」がないがしろにされ、「その代わり、人々がうそと偽りを誇っている」と指摘。
 「欧州は、これまで育み維持することを学んできた他者への敬意を通して、この連鎖を断ち切る助けとなれるのです」「過去80年以上、欧州は紛争ではなく出会いを通じて、異なる意見、主張、利害を明確に述べることが可能だと十分に示してきたからです」

 神の名を利用した暴力は冒涜ぼうとくに等しい

 この日午前、教皇は同会議センターで開かれた諸宗教の集いにも参加し発言した。シューマンを「多様性における一致のために貢献した真の大使」と呼んで思い起させ、「互いに出会い、友情を築き、平和を模索することはいつでもできる」という事実を証しするための、「信仰を持つ人々の共通の責任」を強調した。
 「対話は私たちのアイデンティティーを損なうことはありません。それどころか他者の多様性に心を開くことで、アイデンティティーを簡潔に、また真理をもって表すことができるのです」
 このような「出会いの素晴らしさ」は世界で、特に神の名を利用して暴力を正当化する時代において、必要となっていると教皇は言う。
 「実際、暴力や弾圧を正当化するために神の名を利用することは、神の名を冒涜していることになります」「人間の尊厳を傷つけるもので、神から着想を得たと言えるものは何もありません」と教皇は力を込める。
 教皇は「それぞれの伝統を守る者」として、諸宗教間の対話には「常に心と言葉の武装解除を求めなければなりません」と断言する。
 各宗教は「いのちの守り手」でもあり、その豊かな実りは、「最も傷つきやすく、もろい人々と共にいるという愛情ある寄り添いの中に」示される、と付け加えた。
 「いのちに奉仕することは、特に試練の時に、そしてまさに最期の時まで、いのちをケアと寄り添いと優しさで包み込むことを意味するのです」「私たちの中で超越した存在に心を開く人たちにとっての使命は、特に若者たちに、健全な判断基準を示し、全ての人の尊厳を尊重し、保護する共同体を築く助けとなることです」

9月28日にフランスのメッスにあるロベール・シューマン会議センターで開かれた「平和と一致のための欧州のルーツに立ち返る」をテーマにした会議に参加するマクロン大統領と教皇レオ14世(OSV News photo/Remo Casilli, Reuters)

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