米国司教団トランプ政権に書簡 ハイチへの大量強制送還に抗議
【ワシントン9月10日OSV】ハイチへの「一時保護資格」(TPS)が打ち切られた数週間後、米国司教協議会会長のポール・S・コークリー大司教(オクラホマシティー教区)は、米トランプ政権にハイチへの大量強制送還を停止するよう求めた。
大司教は9月8日付でトランプ大統領に書簡を送り、訴えた。「現在行っているハイチへの大量強制送還を停止することによって、何の罪もない人々のいのちをさらに危険にさらすことをやめてください。特にハイチではいのちを保障し、きちんとした受け入れ体制や社会への再復帰に向けた適切な制度が整っていないのです」
「現在のやり方では、すでに混迷を極める現地での危機をさらに助長するだけです。それにより、大統領が目指す西半球への戦略的目標も弱体化するでしょう。どうか米国憲法の下、大統領の権限で、米国で穏やかに暮らすハイチの人々の強制送還を延期してください」と書簡は記す。
ハイチへのTPSは7月27日に打ち切られた。一方でエルサルバドルへのTPSも今月9日に失効する予定だったが、トランプ政権は失効を「適切な時期」に発表するとし、それまで「米国にいるエルサルバドル出身者は、TPSの下、その保護を維持できる」と述べ、失効を遅らせたと見られる。
しかし、この発表があっても20万人のエルサルバドルからの移住者たちの法的身分は依然として不透明だという。彼らの弁護士によると、就労許可は失効したままになっているからだ。
「アメリカン・ドリーム・プロミス法」
ハイチでは深刻な人道危機が起き、ギャングによる暴力も横行している。米国土安全保障省は、米国民にハイチへの渡航を控えるよう注意を促している状況にもかかわらず、ハイチへのTPSが失効して以来、数週間のうちに何百人ものハイチ出身者を母国へ送還している。国土安全保障省は8月、「やはり母国ハイチが一番」と題したプレスリリースを発表し、ここ最近のハイチへの移送便には、凶悪犯罪で有罪となった個人が含まれていたと主張した。
コークリー大司教は、「ハイチ出身者は、依然として個々の状況に合わせてTPSの保護をはく奪される可能性がある」一方で、無差別な大量強制送還は「保健医療といった重要な分野」での雇用の人材不足を引き起こすかもしれず、さらにはそれぞれの法的身分の違いにより、家族が引き離される懸念もある、と指摘する。
大司教は続ける。「私たちの共同体の活力は、このような家族が安心して暮らせる状態であるかどうかに、大きく関わっています」
同時に米国司教団は、アメリカン・ドリームを目指す人が条件付き永住権または一時的保護の資格を得ることができる法律、アメリカン・ドリーム・プロミス法2025年も支持している。この法律によって、アメリカン・ドリームを望む人々に――つまり幼児不法入国者送還猶予措置(DACA)の対象になる幼少期に米国に連れてこられた若者たち――そして、TPS資格を保有している人々やこれまで保有していた人々に、公平で公正な長期的法的解決を与えることができると主張している。

