中央アフリカカトリック大学での講演 教皇、AIが真理との関わり方変える

【ヤウンデ(カメルーン)4月17日OSV】教皇レオ14世は4月17日、カメルーンの首都、ヤウンデにある中央アフリカカトリック大学で、AI(人工知能)の台頭により、人間と真理の関わり方が変えられてしまう恐れがある、と警鐘を鳴らした。全てのカトリックの大学に、ますますデジタル化する世界で、誠実さと識別能力を備え持って導いていくことができる指導者を育成するよう求めた。
 教皇は同大学の学生と教授らに、AI、汚職、カトリックの高等教育の目的、信仰と理性を結び付ける教会の使命について、スピーチを行った。
 「あらゆる大きな歴史的変化と同様に、今回の変化も技術的能力だけでなく、経済の裏にある論理や、現実の認識を形づくる根深い偏見や権力の在り方を見極める能力を持つ人間の養成を必要とします」
 また教皇は、一部のデジタル環境は、人に何かを信じ込ませるように設計され、真の人間の出会いの「代わり」となるリスクをはらんでいる、と注意を促した。
 「シミュレーションが基準となるなら、人間の識別する能力が落ちてしまいます。その結果、社会的つながりが限られてしまい、自分中心の思考回路が出来上がり、現実に目を向けることが出来なくなってしまいます」
 「そうして、私たちは幻想にとらわれ、互いに干渉し合わなくなり、自分と異なる人に脅威を感じ、出会いや対話の機会を失っていくのです」と教皇は強調した。
 「危機にさらされるものは、単に過ちを犯すリスクだけではなく、私たちと真理の関係性の変化も、です」と教皇は付け加えた。
 さらに教皇は、カトリックの大学は「教会の心から生まれ、私たちを解き放つ真理を宣言するという教会の使命を分かち合っています」と述べ、信仰と真理は対立するものではなく、「あらゆる側面において」、真理を探究する上で「互いに支え合う」ものだと強調した。
 「世界の多くの人が、霊的、倫理的模範を失い、個人主義、表面的な態度、偽善の中に閉じ込められていると感じているように見える時代に、大学は友情と協力、同時に内省や熟考に適した場として際立ちます」と力を込めた。
「中世のまさにその始まりから、大学の創立者たちは、真理(の探究を)大学の目的としました」と付け加え、カトリックの大学に、「最も優先度の高い責任」を真剣に果たすよう促した。つまり、「識別する能力を持つ頭と、愛と奉仕のためにささげることができる心」を育てることだ。「将来の指導者、公務員、専門家、託された責任を誠実に実行する社会の一員」を育て、それぞれの職務を行う上で「共通善のために、倫理的枠組みからはみださないように」学生を養成しなければならない、と語った。

 汚職に対する認識の養成も

 次に、教皇はアフリカ大陸が直面している最も厄介な課題の一つにも言及し、汚職こそがアフリカが解放されねばならない「害悪」だと指摘し、聴衆から喝采を浴びた。
 この問題に対する認識は、学生時代に養成されるべきで、それは「指導者や教師が示す道徳的な厳格さ、無欲さ、一貫した生き方」によって形成されるべきだと結論づけた。
 最後に、「親愛なる学生の皆さん、このようにしてそれぞれの国の未来を築く人、より公正で人間味のある世界を築く人となってください」と学生たちに、言葉を贈った。

4月17日、カメルーンの首都ヤウンデにある中央アフリカカトリック大学で、同大学の学生と教授らと共に過ごす教皇レオ14世 (OSV News photo/Guglielmo Mangiapane, Reuters)
  • URLをコピーしました!
目次