【バチカン6月27日CNS】司祭たちは神の限りない愛に抱かれて育まれ、どんな類いの分裂も憎しみもあってはいけないことに気付くことを求められている、と教皇レオ14世は強調する。
「キリストのみ心から豊かにあふれる愛によって互いに和解し、一致して、変えていただき、私たちは共に謙遜に決然として、堅い信仰のうちに全ての人にいつくしみのうちに心を開いて、主の足跡に従いましょう」と教皇は全世界の司祭たちに向けて呼びかけた。
「私たちの世界に、御父によって愛され、選ばれて派遣されたと知ることで得た自由とともに、復活された主の平和をもたらしましょう」と教皇は6月27日、バチカンの聖ペトロ大聖堂で司式した「イエスのみ心」の祭日と「司祭の聖化のための世界祈願日」に当たってのミサ説教で、司祭たちに促した。
教皇はこのミサで、23日から27日まで続いた聖年の「神学生」「司教」「司祭」の祝祭を締めくくった。教皇が祝祭の間に繰り返し説いたのは、自らの召命の基礎を神の愛とイエスとの友情、聖霊のつくり変える力に据える必要や、意味と希望に飢え渇く世にあって一致して宣教者となる必要についてだった。
教皇レオ14世は27日のミサで、アジアとアフリカ、南北アメリカ大陸、欧州、オセアニア出身の32人を司祭に叙階した。
「分裂も憎しみも存在する余地はない」
教皇は受階者たちにこう語りかける。「私が言いたいのは素朴なことですが、それは皆さんの将来と皆さんに委ねられる魂の未来にとって重要なことだと考えています」
「神と皆さんの兄弟姉妹を愛して、自分自身を惜しみなくささげてください。熱心に秘跡の執行や祈り、特に聖体礼拝、司牧奉仕にいそしんでください」と教皇は促す。「群れの近くに寄り添って、皆さんの時間と気力を惜しむことなく、分け隔てなく、誰にでも与えてください。それは十字架につけられたキリストの脇腹の傷と聖人たちの模範が私たちに教えていることです」
「今日の世界では、あまりにも頻繁に、不確かで長続きしない成功のモデルが示されています。そんなことに引き込まれないでください」と教皇は注意を促す。
「それよりも、ほとんど隠れていて控えめながらも堅固な模範とその使徒職の実りに目を向けてください。それは主と兄弟姉妹に信仰と献身で奉仕してきた生き方です。その人たちの記憶を、皆さん自身の誠実な奉仕で保ち続けてください」
教皇レオ14世は司祭たちに向けて強調する。イエスのみ心は「特に私たちに委ねられています。それは私たちが、み心を世に示すことができるようになるためです」。
司祭たちが救いのわざに貢献する方法はいくつもあると教皇は指摘する。その中でも第一に挙げられるのは、「良い羊飼い」に倣うことで、群れをいつも心にかけ、離れている人を捜しに行き、傷ついた人を助けて、弱っている人や病気の人を力づけることだと語った。
「大規模で破壊的な紛争が広がるこの時代に、神の愛は限りがありません。私たちはその愛に包まれて育まれ、神の目には、そして私たち自身にとっても、どんな類いの分裂も憎しみも存在する余地はないことに気付くよう招かれています」と教皇は付け加えた。
