【ガザ(パレスチナ)3月30日ОSV】聖地で思いも寄らない希望のしるしが見えた。パレスチナ・ガザの聖家族小教区のキリスト教信者たちが3月29日の受難の主日(枝の主日)に、ミサにあずかり、シュロの葉の祝別と枝の行列に参加することができたからだ。
雨が降り、近くでは銃声も聞こえる中で、予想外に多くの人が集まった。「とても素晴らしい枝の主日を迎えました」と、聖家族小教区主任司祭のガブリエル・ロマネッリ神父は、自身のYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@P.GabrielRomanelli/videos)を更新し、その動画の中で語った。当初は安全面と移動の懸念があり、当日のミサ開催がほとんど危ぶまれていた。
「ある時点では、多くの人の参加は見込めないだろうとか、参加しても恐怖を感じるのではないか…と気をもみました」
神父は「この小教区は、かの有名なイエローライン(イスラエル軍が設定した境界線)の近くにあるというだけでなく、移動のための車を見つけるのもとても困難なため」不安が膨れ上がったという。ガザ地区の境界線となっているイエローラインは、2025年の10月の停戦の結果引かれたものだとも言及した。
このラインによって、ガザは二つに分割された。パレスチナ側が支配する区域とイスラエル側が支配する区域だ。そのため、ほとんどのパレスチナ人は西側へ移動せざるを得なくなった。またこのラインは、イスラエルによって、徐々にガザ内部へと侵入してきている。
枝の主日の懸念は、現地の状況によっても一層強まった。「大雨でしたし…銃声もあちこちから聞こえていました。これらが同時に起こったのですから」とロマネッリ神父は、動画の中で語った。
苦しみを差し出して
ガザで停戦が宣言されて5カ月たつが、ガザの人道状況は依然として厳しい。空爆も続き、市民の犠牲者も出ている。砲撃も銃声も日々聞こえる。
それにもかかわらず、枝の主日の行列には予想を上回る参加者があった。「あらゆる予想に反して、多くの人々が来てくれました。ここ中東のキリスト教信者は、概して、この行列に愛着を持っています」と神父は語る。
枝の主日には、典礼にとどまらず、困っている人々に援助物資が配布された。
「コーヒーとお菓子を分かち合い、難民となった家族に援助物資を渡しました。いくつかの懐中電灯や食料を詰めた袋などを」と神父は説明した。
このような行為は、量は多くないが、さまざまな物が不足する中では意味がある、と強調した。
神父はこの日の典礼をガザやこの地域で広がる苦しみの中に位置づけ、聖週間の始まりに当たり、平和を呼びかけた。
「神の栄光と魂の救い、罪の許しのために、それぞれの方法で私たちの苦しみを差し出しましょう。そうすることで、主は世界に、世界のこの場所に――聖地に――、主の平和と公正で恒久的な平和を全ての人に与えてくださるでしょう」「人間らしく生きるために、人々にいのちの真の希望を与えてくれる新たな時が来るのを目にすることができますように」と祈った。

