エルサレム、聖週間中の祭儀開催危ぶまれる 中東での紛争激化受け、声明発表

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エルサレム、聖週間中の祭儀開催危ぶまれる 中東での紛争激化受け、声明発表

【エルサレム3月24日ОSV】ラテン典礼エルサレム総大司教座は、戦時下の規制により、聖週間の主要な典礼や祭儀の中止と延期を強いられているとの声明を発表し、信者たちに、伝統的な祭儀のために集まることはできないが、祈りで一致し続けるよう促した。
 3月22日の声明の中で、ラテン典礼エルサレム総大司教のピエルバッティスタ・ピッツァバッラ枢機卿は、戦闘が継続しており、エルサレムで執り行われてきた四旬節の祭儀は中断されると述べた。その祭儀の中には、キリスト教にとって最も神聖な場所の幾つかで行われる共同体としての祭儀が含まれる。
 「戦争のため、エルサレムでは今年、聖墳墓教会や主の受難にかかわる聖なる場所での荘厳な祭儀といった伝統的な四旬節の旅路を歩むことはできません」「たとえ個別に祈り、備えることはできても、復活祭に向けた共同体としての旅路を行うことができないと感じざるを得ません」と声明は記す。
 29日から始まる聖週間の典礼の予定――キリスト教信仰の中心で、通常であれば多くの巡礼者やエルサレムの信者が訪れる――も不確かだと、説明している。
 「私たち信者の信仰の鼓動といえるエルサレムと聖墳墓教会での聖週間の祭儀について、私たちは自問しています」とピッツァバッラ枢機卿は語る。総大司教座は、祭儀の規模を縮小して開催する可否について、政府関係者やその他のキリスト教共同体と連絡を取り合っている、と付け加えた。
 「この紛争によって課せられた制限やここ数日の情勢を見る限り、即時の状況改善は見込めません」と声明は記し、情勢は依然として流動的なため、開催の計画を立てられないとした。
 ピッツァバッラ枢機卿は、今年は大規模な公開ミサをささげられないと明らかにした。
 通常との大きな違いは、エルサレムの東にあるオリーブ山からエルサレムへ向かう、伝統的な枝の主日の行列が中止されたことだ。この行列は、イエスのエルサレム入城を記念するもので、通常であれば何千人もの人々が参加する。
 声明では「枝の主日の行列に代わって、エルサレムのための祈りの集いを開催する予定ですが、場所は未定です」としている。
 司祭がその誓いを新たにし、聖香油が祝福される「聖香油のミサ」も「日程は未定」だが延期が決まった。「状況が許す限り早急に、できれば復活節中」に共同司式で開催したいと声明は記し、「教皇庁典礼秘跡省から、必要な許可をすでに得ています」としている。
 総大司教座は、復活祭を共に祝えないことへの悲しみに言及し、米国とイスラエルによるイランへの攻撃がもたらす広範囲にわたる苦しみの中で、さらなる心の負担となることを認めた。

 3月28日を共に祈る日に

 総大司教座から発表された3月22日付の声明では、信者たちを励ます聖書のことばが伝えられた。
 「イエスが弟子たちを招いたことばを思い起こすときです。『気を落とさずに絶えず祈らなければならない』(ルカ18・1)」
 信者たちは、公の集いに代えて、各家庭や宗教共同体の中で祈ることを勧められている。
 また同じ声明の中で、ピッツァバッラ枢機卿は、一致のしるしとして、3月28日を共に祈る日とすることを提案した。「平和と平静な心というたまものを、特にこの紛争によって苦しんでいる人のために、ロザリオを唱えて神に願い求めましょう」
 最後に枢機卿は「キリストの受難と死と復活の名によって祝う復活祭は、私たちに、暗闇は、たとえ戦争の暗闇でさえも、最後に勝利することがないことを思い起こさせてくれます」「空になった墓は、いのちが憎悪に、いつくしみが罪に勝利したしるしです」と声明を締めくくった。

聖週間の始まりとなる枝の主日前日の2024年3月23日、エルサレム旧市街で、十字架の道行に沿って十字架を運ぶ、ローマから観光で訪れたカトリック信者たち (OSV News photo/Debbie Hill)
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