ガウディの隠された一面 作品に映し出される信仰

目次

ガウディの隠された一面 作品に映し出される信仰

【バルセロナ3月20日ОSV】スペイン・カタルーニャ州バルセロナでは2026年にアントニ・ガウディの没後100年に向けた準備が進む中、ガウディの非凡な才能と、その人生と作品を形づくった深いカトリック信仰に新たな注目が集まっている。
 地元の教会指導者たちにとって、ガウディの物語は、彼の生涯にわたる使命となった聖堂(サグラダ・ファミリア)と切り離すことはできない。
 「ガウディは子どもの頃から、キリスト教信者として育てられ、人生を通じてその信仰は強められていきました」とバルセロナ大司教区のフアン・ホセ・オメイヤ枢機卿は、ОSVニュースに語った。「彼の信仰は単に私生活の一部であっただけでなく、本職の作品の中にも反映されていました。つまり、ガウディの信仰が彼の人生だったのです」
 ガウディは1852年にカタルーニャ地方のレウスで誕生した、最も独創性に富んだ近代建築家の一人で、カタルーニャ・モダニズムの中心人物。バルセロナ一帯に多くの建築物を設計したが、ほぼその一生を、1883年に着手したプロジェクト、サグラダ・ファミリア(聖家族聖堂)の建設にささげた。
 時がたつとともに、その聖堂は単なる建築プロジェクトではなくなり、霊的召命となっていった。
 枢機卿は「ガウディはその素晴らしい作品を通して輝きました。しかし彼は何よりも、日々宣言し、育まれた信仰に固く結ばれていたことを通して輝きました」と語り、ガウディの日々の生活には、節制から得た霊的な習慣を反映していたと指摘する。
 「彼は常に祈りの時間を設け、日々聖体を拝領し、定期的にゆるしの秘跡を受けていました」
 その内的生活は、彼の作品とサグラダ・ファミリアの建築を助けた人々への処遇を方向づけた。「建築を行う上で、特に際立ったのは、まさに一貫性と愛の証しでした」と枢機卿は述べ、ガウディが時々個人的に街頭に立ち寄付を募ったことを思い起こした。建設現場で働く人々に報酬を払い続けるためだった。

 全ての人には役割がある

 神学者であり哲学者でもある、バルセロナのラモン・リュイ大学のフランセス・トラルバ教授によると、ガウディはサグラダ・ファミリアをキリスト教信仰の中心にある神秘を表す手段として考えていたという。
 「彼の目標は明確な教育的、要理的な意図をもって、ニケア信条の偉大なる神秘を、建築を通して表現することでした」と教授は語る。
 2010年には、ベネディクト16世が聖堂の献堂式を挙行し、ガウディを「創造力豊かな建築家であり、実践を伴うキリスト者で、その信仰の光を、生涯を通じてともし続け、尊厳と完全な質素さのうちに生き抜きました」と評した。
 サグラダ・ファミリアは2026年2月20日、イエス・キリストの塔の上にある十字架の上部が取り付けられ、大きな節目を迎えた。高さ約172メートルとなり、世界で最も高いカトリックの教会となった。
 建築家でガウディの列聖を推進する協会を率いるホセ・マヌエル・アルムザーラ氏は、ガウディの霊性は彼の作品への取り組み方に表れていると、ОSVニュースに語った。  
「私の考えでは、ガウディの決定的な霊的特徴は作品であり、祈りであり、犠牲です」。ガウディは創造力を要する作品づくりにとって、協力が大事だと信じていたと、同氏は指摘し、「作品は協力の果実であり、これは愛に基づいてこそ成し得るのです」とガウディ自身の言葉を引用した。
 アルムザーラ氏は「建築家は作業者が知っていること、…できることをうまく生かす方法を知っていなければなりません。ガウディはプロジェクトにおいて、全ての人には役割があると信じていました」と述べ、「私たちには役に立たない人はいない――全ての人は必ずしも同じ能力を持たないけれども、全ての人には役割があるのです」と、ガウディの言葉を引用して付け加えた。
 トラルバ教授にとって、美と信仰のつながりはガウディの作品の中心にあるという。「ガウディの建築は、彼の神との個人的なつながりを考慮せずには十分に理解することはできません」

 信念貫くキリスト者を生きて

 ガウディの人生は1926年の6月7日に突然終わりを迎えた。サグラダ・ファミリアの建築現場からバルセロナのゴシック地区にある聖フィリポ・ネリ教会へ歩いて向かう途中、市街電車にはねられてしまう。
 ガウディの質素な服装と飾り気のない外見から、目撃した人々はガウディを貧しい人と誤解したとされる。そのため、当初は路上生活者のための病院に運ばれていた。その3日後の6月10日、ガウディは息を引き取った。74歳を迎える数週間前のことだった。ガウディの遺体は、彼の愛する建築上の子どもであるサグラダ・ファミリアの地下納骨堂に埋葬された。
 トラルバ教授は、ガウディは近代性と信仰をつなげる作品を生み出すキリスト信者の芸術家のまれな模範だと信じている。
 「アントニ・ガウディは信徒でしたが、信念を持ったキリスト者でした。信仰を放棄することなく、近代主義的で象徴的な作品――総合芸術を生み出したからです」

2月20日、スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリアとして知られる聖家族聖堂の最上部に位置するイエス・キリストの塔の上部にある十字架の上腕を設置する作業員たち。教皇レオ14世は、6月にバルセロナを訪問予定で、同聖堂を象徴する建築家であり、「神の建築家」と呼ばれるアントニ・ガウディの没後100年を記念する (OSV News photo/Nacho Doce, Reuters)
  • URLをコピーしました!
目次