レバノンで司祭が死亡 イスラエルの攻撃受け

【クラヤア(レバノン南部)3月9日ОSV】レバノンのマロン典礼カトリック司祭が3月9日、イスラエルの戦車の攻撃を受け死亡した、とカトリック関係者やカトリック系メディアが伝え、ОSVニュースもその事実を確認した。
 イスラエルとの国境から約8キロにあるマルジャユーン地区のマロン典礼カトリック信徒約8000人が住む村に、イスラエル軍は退避命令を出していた。しかし、死亡したピエール・アル・ラヒ神父は、他の神父たちと共にその命令に従わなかった。
 教皇庁はSNSサイト「テレグラム」に、教皇レオ14世は「ここ数日続けられている中東地域での爆撃で犠牲となられた方々がいることに深い悲しみを覚えます。その多くが、子どもを含む無実の人々であったり、クラヤアで午後に亡くなったアル・ラヒ神父のように、住民を支援している方々であったりするからです」と語ったと投稿した。
 また、教皇は「状況を憂慮しつつ見守り、全ての敵意がすぐにでも解消されるよう祈っている」とした。

 司祭と修道女らも共に残る

 イスラエル軍はレバノン南部、ベイルート南部、ベカー渓谷といった親イラン民兵組織ヒズボラの本拠地と思われる拠点に大規模な爆撃を行った。同民兵とその武器を一掃する狙いがある。同民兵はキリスト教徒の中や南部のその他の村に潜伏しているとされている。
 「危険があるにもかかわらず、私たちはとどまるよう強いられています。私たちがこの土地を守るとき、私たちは平和裏に行います。私たちの中で誰も武器を持っていません。全員が平和と善と愛で支え合っています」とアル・ラヒ神父は3月8日、クラヤアにある自身が司牧する教会で、フランスの放送局、France24に語った。死亡する前日だった。
 マルジャユーン地区の何万ものレバノン市民は、さらなる暴力を恐れ、すでに家を離れている。
 レバノンのニュースによると、イスラエル軍の戦車はクラヤアの民家を2度攻撃した。最初の攻撃で、家主とその妻が傷を負った。アル・ラヒ神父と近隣住民が急いで助けに向かった時に、2度目の攻撃があり、同神父は傷を負った。後にその傷が原因で死亡した。その他数人のレバノン住民も傷を負った。
 教会の援助組織「エイド・トゥ・ザ・チャーチ・イン・ニード」は、X(旧ツイッター)への投稿で、アル・ラヒ神父は地元の共同体に熱心に関わり、特に不安定で緊迫している地域での司牧で知られていた、と述べた。
 同組織は3月9日、プレスリリースも発表し「レバノン南部で緊張感が高まっているにもかかわらず、多くの司祭や修道女たちはそれぞれの共同体に残る決断をしています。多くのキリスト教徒の家庭も、家や土地や生活を捨て去ることをせず、自分たちの村に残っています」と現状を説明した。

2023年4月2日の枝の主日、レバノンのクラヤアで祭服を着て枝の行進に参加するレバノン出身のマロン典礼カトリック司祭、ピエール・アル・ラヒ神父。左から2人目。アル・ラヒ神父は今年3月9日、クラヤアにある民家がイスラエルの攻撃を受けた際に死亡した (OSV News photo/Aziz Taher, Reuters)
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