パロリン枢機卿「予防戦争」認めず 世界を火の海にさらす危険性を指摘
【ローマ3月4日ОSV】米国とイスラエルがイランに対する攻撃を開始して5日目に、教皇庁国務省長官、ピエトロ・パロリン枢機卿が平和と外交の必要性を訴えた。国が自国の都合の良い基準で「予防戦争」をしかける権利を認められるなら、世界を火の海にしてしまうリスクを冒す、と警鐘を鳴らす。
米国とイスラエルがイランの首都やその他の都市を複数回空爆し続け、イランもイスラエルや近隣諸国に対しミサイルやドローン(無人機)によって報復を開始する中、バチカンの外交官のトップであるパロリン枢機卿は3月4日、バチカン・ニュースの取材に応じた。
同枢機卿は「国際法の形骸化」に懸念を示し、国際情勢において枢機卿が言う「力の法」へと進む危険な動きを非難した。
「正義が武力に取って代わられています。法の力が力の法に置き換えられているのです」「敵を全滅させないと、平和がもたらされないと確信しているかのようです」と枢機卿は憤る。
パロリン枢機卿は米国やイスラエルを直接名指しはしなかったが、国連憲章の下、武力はあらゆる政治的、外交的努力を尽くした後の「最後にして最も深刻な手段」でなければならず、「その必要性と相応性の限界を慎重に評価して初めて」行使されるべきだと強調した。
「もし国が自国の基準や、超国家的な法的枠組みを持たずに、『予防戦争』をする権利が認められるなら、世界全体が火の海になるリスクを負うでしょう」
ミサイルでは何も解決しない
同枢機卿は、今年初めのイランでの大規模な反政府デモの鎮圧で、多くの犠牲者が出たことを問われると、「人々の願望は考慮されなければならないし、全ての人がそれぞれの考えを自由に、また公然と確実に表せる社会の法的な枠組みの中で、その願望は保証されなければなりません。このことはイラン国民にも当てはまることです」と答えた。「同時に、私たちはミサイルや爆弾の発射で解決できると心から信じている人がいるのだろうかと自問しなければなりません」と付け加えた。
同枢機卿は、教皇レオ14世が3月3日夜、ローマ南東のカステルガンドルフォにある教皇宮殿で、取材陣に「平和のために祈り、平和のために働き、憎しみを手放しましょう。世界で見られる憎しみは、増加し続けています」と述べ、全ての人に「対話を推進する真の努力」と、「武器に頼らない解決方法の模索」を呼びかけたその翌日に発言した。

