インカルチュレーションの模範 グアダルペの聖母出現500年
【ローマ2月25日ОSV】教皇レオ14世は、メキシコ市で2月24日から26日まで開催された「神学=司牧会議」へのメッセージの中で、グアダルペの聖母マリアは「完全なインカルチュレーション(福音の文化内開花)」の模範で、「神が人々に近づかれる方法を明示している」と述べた。メキシコでは、2031年の特別聖年に聖母出現から500年を迎える準備が進んでおり、同会議もその一環だ。
教皇は「グアダルペの聖母は、救いの真理のインカルチュレーションに関する神聖な教育法の中にある教訓だ」とし、「聖母はある文化を偶像化したり、その区分を絶対化したりせず、同時にそれらの文化を無視したり、軽視したりもなさいません。それらは受け入れられ、清められ、変容されてキリストに出会う場所となります」と語る。
1531年の12月、グアダルペの聖母マリアは、メキシコの先住民でキリスト教に改宗した聖ホアン・ディエゴにテペヤックの丘で4回出現し、その場に聖母をたたえる教会を立ててほしいと願った。不思議なことに聖ディエゴのティルマと呼ばれるマントに聖母の姿を映し出した。そのマントは現在でもメキシコ市にあるグアダルペの聖母大聖堂で展示されている。
学者や神学者たちは、ティルマに映し出された聖母の姿には、メキシコ中部に住むナワトル語を話す人々に理解されやすい象徴が多く含まれている、と長らく指摘してきた。アステカ文明における女王の地位を連想させる聖母のターコイズ色のマントから、先住民族の間で妊娠を示すしるしの黒い帯まで、聖母は腰に付けている。さらに、聖母の胎の辺りの布には、4枚の花弁を持つ花があり、それはアステカ文明で宇宙の中心、神の完全さを象徴するものだ。
テペヤックの丘での聖母の出現は、「教会の福音宣教の使命を識別するための永遠の基準」として見ることができ、「私たちが生きる真の神を押し付けることなく、同時に神の救いの現存が本来持つ新しさを希釈することなく宣(の)べ伝えるよう、教会は求められているのです」と教皇は説明する。
インカルチュレーションは、福音を異なる文化の中で受肉させるという概念を表わす。しかし、「インカルチュレーションは文化を神聖化したり、福音のメッセージを解釈する上での決定的な枠組みとして文化を採用したりすることとは同じではありません」と教皇は明言する。
「文化として与えられた全てのものを正当化したり、福音や人の尊厳に反する慣習、世界観、あるいは体制を正当化したりすることは、全ての文化――あらゆる人間の現実と同じく――は、キリストの過越の神秘からあふれ出す恵みによって、導かれ、変化させられるべきだということを無視することになるでしょう」
「インカルチュレーションはむしろ、厳しい清めの過程で、その過程を経て福音は、その真理を残しつつ、文化の中に存在するみことばの種を認識し、識別し、受け入れ、同時にその真の価値を、それらを覆い隠し、傷つけるものから解放して、清め、昇華していくのです」と教皇は続けた。
難しくなる信仰の伝承
グアダルペの聖母は南北アメリカ大陸の保護者として崇敬されている。ただ、教皇レオは「現代のアメリカ大陸や世界の多くの地域で、信仰の伝達はもはや当然のものではなくなりました。神を私的領域へと追いやったり、神をまったく無視してしまったりする傾向を見せる人間観・人生観に特徴付けられた大都市や多元的社会においては、特にそうです」と警戒感をにじませる。
2月22日から27日まで四旬節の黙想会に参加している教皇は、このメッセージに、メキシコ出身で最初に列聖されたイエスの聖フィリッポ・デ・ヘススの記念日である同5日に署名した。
「新たな福音宣教の星、グアダルペの聖母が、その出現から500年を迎えるまでに行われるさまざまな取り組みに同伴し、奮い立たせてくださいますように」と教皇はメッセージを祈りで締めくくった。

