子どもを守る世界的取り組み 進展遅く、教皇、懸念を示す

【バチカン2月5日CNS】教皇レオ14世は2月5日、バチカン使徒宮殿のクレメンスの間で開かれた、「危機からケアへ—子どもたちに対するカトリックアクション」の運営委員会へのあいさつで、世界の子どもたちに対する保護とケアはまだ不十分で、子どもたちには成功のチャンスがほとんど与えられておらず、虐待に苦しむ深刻な危機に直面していると指摘した。
 教皇は、カトリック団体が行っている子どもたちへの取り組みを称賛する一方で、世界的に進捗(しんちょく)が見られないという懸念を分かち合った。
 「残念ながら、過去一年の間、子どもたちが置かれている状況に改善は見られませんでした。危機から子どもたちを救うプロジェクトにも進展が見られず、大きな懸念材料となっています」
 教皇は、この問題は国際的に優先順位が低いのではないかと、さらに懸念を示した。
 「持続可能な開発のための世界的な取り組みは、なおざりにされているのではないかと私たちは疑問を抱きます。人類という家族の中で、非常に多くの子どもたちがいまだに極度の貧困の中で暮らし、虐待に苦しみ強制的に住む場所を追われているからです。適切な教育が受けられなかったり、家族から孤立し、引き離されたりしているのは言うまでもありません」
 昨年発表された国連の「持続可能な開発目標」の年次報告書によると、世界の貧困への取り組みは、ほぼ行き詰っており、極端な貧困状態にある人は世界で10人に1人となっている。さらに世界銀行の直近の報告書、「貧困と繁栄の共有」によると、2020年から2030年は「失われた10年」となるだろうと予想している。ただ、その要因の一つには、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)があるという。
 教育については、昨年のユネスコ(国連教育科学文化機関)の「グローバル教育モニタリングリポート」は、学校に通えていない子どもたちの数は2015年からほぼ変化なく、2億5100万人と報告している。開発途上国の子どもたち4人のうち3人が10歳になるまでに、読むことができず、簡単な文章も理解できないという。

 声を持たない人の声になる

 教皇レオ14世は、カトリック団体はしばしば子どもたちに対し、専門的な使命を通して奉仕しているとし、一つの分野だけに支援を狭めてしまうと、その他の必要性に応えられなくなると注意を促し、包括的なケアを確実に行うよう幅広い協力を促した。
 「より広い一致のうちに協力する方法を見いだしてください。そうすることで、子どもたちが身体的、精神的、霊的幸福を考慮したバランスの取れたケアを受けられるようになります」 
 また、教皇は「取り組みがうまくいかなかったり、周りからの関心が得られなかったり、状況の改善が見られないように感じたりして、落胆する誘惑に駆られるとき、皆さん方は声を持たない人たちに代わって声を上げているという高潔な働きをしているのだということを忘れないでいてください」と励ました。

2月5日、バチカンで「危機からケアへ—子どもたちに対するカトリックアクション」の運営委員会の委員らと会う教皇レオ14世 (CNS photo/Vatican Media)
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