【ガザ(パレスチナ)12月19日ОSV】クリスマスが近づく中で、寄り添いのしるしとして、ラテン典礼エルサレム総大司教のピエルバッティスタ・ピッツァバッラ枢機卿は12月19日、パレスチナ・ガザ北部の聖家族小教区への司牧訪問のため、ガザに到着した。
その訪問中、「人道的対応、継続中の支援と復旧状況を含むこの小教区の現状と、今後の復旧の見込みを調査する」予定だと、12月19日に発表された声明で、ラテン典礼総大司教座は明らかにした。
同枢機卿は、聖家族小教区主任司祭でアルゼンチン人の揺るぎない意志を持つガブリエル・ロマネッリ神父が率いる地元の聖職者と小教区の信者たちと会い、「この共同体が必要としていることや、その信者たちを支援するために着手されている取り組みについての説明を聞く」ためにこの地に来たと総大司教の声明は続ける。
2023年10月のイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘開始から、この聖家族小教区の敷地内に避難している信者たちにあいさつをし、ピッツァバッラ枢機卿は「まず何よりも、皆さん全員にごあいさつを申し上げます。再度、皆さんと共にいられることをうれしく思います」と語りかけ、開戦以来、初めて「少しだけ安心している」と付け加えた。
クリスマスに新たな誕生を願う
「状況は今も厳しいと分かります」と同枢機卿は語り、それでもエルサレムからだけでなく、「全世界から」のあいさつを伝えたいと強調した。「世界中のどれほど多くの教会、団体や協会、人々が、今この時を皆さんと連帯しているか、想像もつかないでしょう」
同枢機卿は続けて、戦争中、この聖家族共同体は、「とても悲惨な時を経験しても、信仰を固持し続けたことはどれほどのことでしょうか」と賛辞を送った。
「起きたことを私たちは忘れません。…けれども、今は前を向いて歩み出さねばなりません」と枢機卿は励まし、「私たちは再建します。学校や家…生活を再建していきます。私たちはここに根を張り、ここにとどまり続けます。ここに居続けたいのです」と同共同体に約束した。
さらに、「戦争中でもここを訪問するたび、洗礼式がありました。ですから、洗礼式のないクリスマスはありません。これは素晴らしいことです。私たちがいのちとイエスを信じると宣言するのに最もふさわしい出来事です」と同枢機卿は続けた。
12月21日の待降節第4主日に、ピッツァバッラ枢機卿はここ聖家族小教区で、クリスマスのミサを司式する。
「イエスの誕生が、私たちの人生に、新たな誕生を運んでくださいますように」と枢機卿は願った。同枢機卿は12月21日までガザに滞在の予定。

