【ワシントン12月9日OSV】米国のドナルド・トランプ大統領は12月9日に同国の政治ニュースメディア「ポリティコ」が公開したインタビューで、教皇レオ14世との会談に前向きな姿勢を示し、教皇が示している自身の移住者政策への反対意見にも反応した。
教皇レオはトランプ政権の移住者政策を批判し続けていて、特に移住者の処遇について、「非人間的」と表現している。
米国出身の教皇の発言について「ポリティコ」の記者から質問されたトランプ氏は、教皇の見解については意識していないように聞こえた。
「私は見ていない」と同氏は答える。「つまり、…だから、…彼は多分そう。と言うか、彼は壁も嫌いだったろう。そう、彼らは壁が嫌いだった。その壁は今や偉大なものとなった」
トランプ氏の壁についてのコメントは明らかに、2016年に故教皇フランシスコが発した同氏の米国とメキシコの国境に壁を建設する提案についての批判を指している。
移住者の「尊厳を尊重して扱う」
教皇レオ14世は11月18日、ローマ南東のカステルガンドルフォで、記者団を前にして、米国カトリック司教協議会が11月12日に承認した「移住に関する特別司牧メッセージ」への支持を表明した。メッセージは、「教会の隣人についての懸念と、わが国での移住者についての私たちの懸念」を示している。
教皇レオは、その際にこう語った。「誰も米国が国境を開放すべきだとは言っていません。私の考えでは、全ての国に、誰をどのように、いつ入国させるか決める権利があります」
ただ、教皇はこう付け加える。移住者政策の施行に当たっては、「私たちは人々を人間らしく扱う方法を探さなくてはいけません。当然ある尊厳を尊重して人々を扱うのです」。
移住者についてのカトリック教会の社会教説は、三つの関連する原則でバランスを取るよう求める。・自身と家族の生活を支えるために移住する個人の権利・国境を管理し入国を統制する国家の権利・正義といつくしみによって国境を管理する国家の義務。
トランプ大統領は「ポリティコ」から教皇レオと会うか、話してみるつもりはあるかと聞かれ、前向きな姿勢を示した。「もちろん、そうする。当然だ」

