【ベツレヘム(ヨルダン川西岸)12月8日OSV】ヨルダン川西岸のパレスチナ・ベツレヘムは12月6日、聖誕教会前の「馬小屋広場」で高さ19メートルのクリスマスツリーが点灯され、3年ぶりの喜びに沸いた。前回は2022年12月が最後で、その10カ月後にイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が勃発した。
イエスの生誕地を訪れる巡礼者の人数は、3年前の戦闘前に比べて少ないが、待降節中に来訪した人々は恵みを感じている。
ウクライナから来たナタリー・タラトゥタさん(50)は、数少ない巡礼者の一人として、伝統的にイエスの生誕地とされる聖誕教会のグロット(洞窟)の静けさを体験できたことは、聖なる恩恵のように感じたと話す。
ロシアによる侵攻に苦しむウクライナから、ポーランドのワルシャワまでの24時間の列車の旅を含めて、丸々2日間かけて現地にたどり着いたタラトゥタさんは、母国ウクライナとパレスチナとイスラエル、全世界の平和のために祈ったという。
「どれほど聖なる雰囲気を感じたかを表現できる言葉が見つかりません」とタラトゥタさん。「私は私たち皆のため、世界の平和のために祈っています。この聖地に平和がありますように。あまりにも多くの衝突と対立があります。人々が平和と友愛のうちに暮らしてくれればいいのですが。混んでいなくて、祈りと礼拝の時間があったので、とても幸せです」
クリスマスマーケットなども予定
観光客や巡礼者たちは徐々にベツレヘムに戻りつつある。ガザで2年間続いていた戦闘について、10月の米国のトランプ大統領の仲介による和平合意案が履行されているためだ。1日に2台か3台のバスが到着し、少人数の個人巡礼者たちがクリスマスを前に、聖誕教会を訪れている。
伝統的な宗教行事を除いて、クリスマス関連の祝賀行事はガザでの戦闘の影響で、全て中止されていたが、この12月6日、主に現地の住民から成る数千人が、3年ぶりのクリスマスツリーの点灯式を見守った。人々の頭上には祝賀の電飾が輝き、「サンタ」たちがお菓子を配る中、地元住民の家族たちは輝くツリーや生誕の場面の前で記念撮影をしていた。
クリスマスの祝賀行事の調整を担当した「馬小屋広場のベツレヘム平和センター」所長のラニャ・マルキ・バンダクさんは、ガザでの戦闘がまだ続いている中、停戦合意の調印を受けて、クリスマスツリーの点灯式のために全ての手配を大急ぎで行うことになったと言う。週末には、聖誕教会前の広場でクリスマスマーケットが開かれ、その他の行事もクリスマスまで開かれると付け加えた。

